道楽者の詩

写真とカメラ、山登り、ジムニー、ギターをはじめ、日々の私情をつらつらと

登山届けを出そう、コンパスでもヤマレコでもOK

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登山届けって、提出する必要性はあるのでしょうか、提出する義務はあるのでしょうか。また、登山とハイキングの線引きはどこらあたりなんでしょうか?、

 

日本アルプス名地の山岳地域を有する都道府県では、 義務化されつつあるようです。

登山条例 - Wikipedia

 

 

必要性についてはいくらか感じておりましたが、さりとてあまり深く考えていませんでした。提出したとしても、遭難した時に必ず助けに来てくれるわけじゃありません。私の場合に限れば、歩き回っている中国山地の「山」よりも、ほとんど人がはいらないような「滝」を目指している時のほうが危険は多いです。

私の山歩きは高くても標高1700m の伯耆大山くらいまでで、通常は中国山地の1000~1500m くらいの山域です。提出したらどんなよい事があるのか全く分らなかったからです。

実は鳥取側から氷ノ山に登った時、目の前に登山届けがあったので書いて提出しました。提出してしまうと、気持ちの上では途中で道を変更しにくいです。また、提出先の事務所は17時以降は閉じられてしまうということなので、17時を過ぎると下山完了の連絡を入れにくいし、連絡をしなかったらどうなるのか、その当たりがよく分りませんでした。そんな事もあって、もういいやと思っておりました。

 

 

ところが岡山県警が、本年8月から登山事故を減らすために、「山岳ガイド協会のシステムと提携して登山者の情報を共有をすることにした」というニュースが報道されていました。岡山県の最高峰は1345mで、熊以外の危険は少ない山です。某登山家からは、岡山・広島には登るべき山はないとさえいわれていたようです。にもかかわらず、岡山県警と登山事故がセットになるニュースは地元民からすれば斬新です。

www.mt-compass.com

 

県警が提携するシステムというのは、日本山岳ガイド協会が4年前に立ち上げた「コンパス」というシステムで、登山届けの作成から下山連絡までをパソコンもしくはスマホで作成して送信する事が出来ます。さらに下山届けが一定時間内に提出(送信)されなければ、緊急通報者に連絡が入るという運用になっています。

 

ということで「コンパス」というシステムを調べてみました。もちろん登録もしました。

www.mt-compass.com

これは運用も含めてよくできていると思いました。

1.必要事項入力して、予め登山届けを作成する。

2.登山開始前にスマホから送信する(県警と緊急連絡者に送信される)。

3.下山が完了すると、下山連絡を送信する。

4.下山予定時刻を3時間過ぎても下山完了がなければ本人に確認と催促のメールが届く。

5.下山予定時刻を7時間過ぎると緊急連絡者に知らせが入る。この時点で、緊急連絡者の判断で捜索依頼を出すことになる。

 

岡山県内でこのシステムが必要かどうかの議論は別として、個人的には有益と思える点があると思いました。具体的には、

・登山届けの作成が楽

・登山口で送信できるので提出ポストの有無や、回収に関しては気にしなくても良い

・いちいち家人に知らせなくてもいい。人それぞれ事情はあるでしょうが、我が家では、どこに行くと言っても興味を示しません。書くのも面倒なので、ラインで送ってもあまり興味を示しませんし、「捜索」のことなどほとんど眼中にありません。最後には、行き先の説明をするとだんだん不機嫌になってくる始末で、出歩く事に関して楽しく会話が出来ません。

・下山完了が簡単に送信できる。

・下山連絡が完了していなければ、7時間後くらいには捜索が始まるという期待が持てる。スマホの電波が届かなくても、気を失っていても、県警と緊急連絡者に下山未完了が知らされるというのはかなり安心。

・登山届けがないと対象とならない保険に加入してもよさそう。私は、登山届けなんか出すつもりがなかったので、届出なしでもOKという「レスキュー費用保険」に加入しています。 bluesboy.hateblo.jp

 

こんなによい事が多いのであれば、即登山届を出そうということになるかというと必ずしもそうではありません。ハイキングでも出すのか、登山とハイキングと線引きはどこか、などといくらかの悩みどころはあります。

直感的に、目的地が標高1000m以上であればとも思ったのですが、個人的には中国縦貫高速よりも北に行くときは出そうかなと思っております。さすがに近所のトレーニングでは、提出するのはどうかなと感じております。

 

 

目的が「登山届けを出す」ということであれば、コンパスのシステムはシンプルで私好みのシステムです。システムとして閉じた系になっています。あえて不都合な点を挙げれば、ハンドルネームが登録できないことです。

コンパスのシステムの中でもSNS的コミュニケーションは出来るようですが、ハンドルネームが登録できませんので、私のように本名を表に出したくない人は登山届けの提出以外には利用の仕方はありません。ハンドルネームが登録できないというのは、情報の信憑性は上がるので悪いことばかりではありません、利用の仕方次第です。

SNS的な利用もしたいというのであれば、yamareko で登山届けを作成してコンパスに渡して提出というサブシステム的な利用の仕方をされている人もいるようです。yamareko でも下山届けが出来るようになったと聞きますので、そちらだけでも大丈夫かとは思いますが、「県警と情報共有」という安心感はコンパスのほうがよいのかなと思ったりします。

 

グループ登山と単独登山(ソロ登山)

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私はグループで行動することはほとんどありません。仕事や義務であれば別としても、基本的には群れるのが苦手というか気を使うというか、要はめんどくさいので何事につけても単独行動をする事が多いです。よほど気のあった人であれば2~3人で行動することはありますが、寄せ集めの大勢で行動するのは苦手です。

酒は苦手だし、会食も苦手(食えるものがない)だし、集団行動は気疲れするのでなんとかクラブなどという団体に加入するのも難しいです。

 

とはいえ、単独での山歩きには不安や危険は付き物でして、特にバリエーションルートや、初めてのコースは不安です。極力人が少ない時を狙っているという事もありますが、一日歩いても誰にも遭わないことなんて珍しくありません。

また、クマ対策や怪我などを考えると、単独行での不安要素は多いものです。実際、冒険心でワクワクなどしたことはありません、いつも不安は抱えています。

 

それでも昼間なら何とか一人でやってきておりますが、夜中に山の中を一人で行動するのは不安もマックス、出来ません。夜中に二人ってのは経験ありますが、一人ではムリっぽいです。テント泊とはいいません、しっかりした避難小屋くらいなら泊ってみたいと思うことがありますが、今のところ一人で泊まるのも出来そうにありません。何が起きるかわからないので、コ・ワ・イ。

 

ソロ登山・単独行動のメリットは

最大の利点は自由だということ

後にも先にもこれに尽きます。特に私のように、身勝手・わがまま・自己中?の者はこれが最もありがたい。予定・ルートの変更や、休憩のタイミングや休憩時間の長さも全て自分の都合次第、誰に断る必要もありません。

自分の場合は目的地に向けてまっしぐらという歩き方をしなくて、キョロキョロと周囲を眺めながらチンタラと歩くのがスキなので、歩くペースをあわせると何をしに来たのか分らない、全くもって楽しくありません。

 

歩いた道や周辺の記憶は、一人のときのほうが強く残る

車の運転をする人は分るでしょうが、運転をせずに連れて行ってもらった時と、自分で運転して行った時では、ルートの記憶や周辺の印象には雲泥の差があります。特別危険なところでなければ、やっぱり自分で運転していくほうがいいでしょう。

 

最初は誰かについて基本的なことを教わりたかったのですが、身の回りにそのような人はいません。辛うじて山岳部だった愚息から少しは教えてもらえましたが、体力も目指すところもレベルが違いすぎるのでほとんどはネットで独学するしかありません。

ある程度小さな失敗を経験すれば、不安もその分だけは軽減します。全て自己責任ということになりますが、一人で行動するのが次第に楽になってきています。

 

 

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一方団体で行動される人も多いです。5人以内のパーティーなら微笑ましくも思えますが、バスでやってくるツアーのような団体さんもいます。まるで小学校の時の遠足のような感じです。

何度か出会った事がありますが、団体さんはとにかく喋りが多くて道を塞いでしまい、簡単に追い越せません。あんたら、一体何が目的で来ているのかと問いただしたい時もありました。しっかりしたリーダーがいてくれたらいいのですが、高齢者の団体の場合は特に難しそうです。危険の少ないハイキング程度なら、それもありなのかなぁ。

 

 

 グループ登山のメリット

感動や喜びを共有できる

荷物を分配できる

トラブル時に助けてもらえる

・下山口に車をデポできる

 

頑張ってグループ行動のメリットを列挙しましたが、トラブルさえなければ、私レベルの山歩きにグループで行動する必要性は特に見出すことはできません。ツアーなんか、必要な方もいらっしゃるのでしょうが、今のところ私には考えられません。 

 

グループで登って、山頂で調理して会食するのが楽しいとおっしゃる方々がいるとも聞きますが、個人的には理解が出来ません。そもそも火を使って湯を沸かすなんて面倒すぎます。また親切心からでしょうが、あれこれ食えと勧められるのは非常に困惑します。

私は胃腸が弱い上に、食生活は一般の人と大きくずれているという特殊事情もありますが、得体の分らないものを口にするのはストレスなのです。その代わり毎度同じものを食べても苦になりません。ですから携行する食糧はいつも決まっていて、食べても大丈夫な400~500kcalのパンを2~3本、カロリーメイトゼリーとウィダーゼリーを各1個、非常食でカロリーメイト1箱、それに決まった飴10個です。山では普段から食べ慣れているものが安心です。

 

荷物を分散するということは知っています。山岳部だった愚息が、重量を気にしながら荷物の配分を計画していました。登山計画書にはそんな事も記載していました。私の場合は、そこまでシビアな山登りはしないでしょう。自分のものは自分で担ぎます。

 

怪我をした時に助けてもらえるというのは確かにありがたいです。レスキュー保険には加入していますが、見つけてもらわないことには話になりません。登山届けはコンパスで提出するようにしていますが、連絡が入るのは下山予定時刻を7時間過ぎてからです。単独の場合は携帯電波の状況には気を配っておく必要があります。

 

私のように現金もほとんど持たない(公共交通機関を利用する気がない)単独行であれば、何が何でも自力でスタート地点に戻ってこないといけません。車が二台あれば、登山口と下山口が離れているコースも選択できるので、いいなと思うことは確かにありますね。

 

 

単独行動でも集団行動でも、私個人としてどちらかをお勧めするというわけではありません。好きなように楽しいと思えるようにやればよいと思えるのですが、少しづつでも単独行動に必要な知識やスキルを習得できたほうがよいだろうと思います。

集団行動をするのであれば、グループ登山に必要な知識の習得と訓練はされたほうがよいと思います。最近はネット(SNS)で募って、グループ登山をされる方もいらっしゃるようです。一種のOFF会なので楽しそうに感じますが、聞く限り、集団行動をする場合のグループリーダーの印象とはかなり違うようです。危険や迷惑を伴う可能性が高いグループ登山のリーダーとはどういうものか、少なくともそのくらいは勉強されたほうがいいでしょう。ハイキング程度であったとしても、添乗員のような人が一人で旗を振って40~50人を連れて回っているのは迷惑です。

 

www.nhk.or.jp

yukinoshingun.com