道楽者の詩

写真とカメラ、山登り、ジムニー、ギターをはじめ、日々の私情をつらつらと

滝に行く時 撮影道具と付帯装装備(常用品)

近隣で一人でいけそうな滝はもう行きつくした満腹感がありまして、最近は滝にはあまり行っていません。遠征すれば、見るべき滝はたくさんありますがそこまではもういいかなと。

滝へのアクセスは、地図がない、道がない、代わりにあるのは草ヤブ・枝ヤブ、急斜面。ヤブに突入すると、三歩進んで二歩下がるだけならまだしも、もっと後へ跳ね飛ばされる事もあります。滝へのルートは当然水周りですから、濡れる・汚れる・滑る、一般の山登りとは違ってかなり過酷なことが珍しくありません。もう歳も歳だし、那岐山のなんでもない階段を転げ落ちてしまったことだし、大怪我をする前にそろそろ控えたほうがいいかなという今日この頃です。

 

このたびは、普段の滝行での装備を書きとめておくことにします。

私ごときが行ける滝への装備は限られています。泊りがけで行く事もありませんし、雨が降っても行きません。たいていは片道二時間以内です(例外もありますが)。

 

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鳥取県 北谷の雨滝


 

 ザック

The NorthFace TELLUS PHOTO 40

少々重厚なので、近距離用に小さいザックも用意していたのですが、中身を入れ替えるのが面倒なのでこれ一本で済ませています。新品は高価ですが、中古なら15000円以内で手に入る可能性はあります。

 

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 撮影機材

カメラ : Canon EOS 60D(バリアングル必須)

レンズ : Canon EFS10-22mm、Tamron 17-50mm F2.8

フィルター : C-PL、ND8

三脚 : SLIK CARBON SPRINT 634FA+Velbon QHD-43+Velbon QRA-635L

その他 : 予備バッテリー、ブロア、リモートスイッチ、水準器、めがね拭き

 

滝撮影で必要な機材は、バリアングル液晶を搭載した一眼カメラと三脚。どうしても下方から見上げる構図が多いので、バリアングルは必須といえます。

レンズは換算で16~80mm 位をカバーしておきたい、開放F値はF5.6でも十分。

ミラーレスも一眼なので機能的にはOK、軽量という利点に惚れて試したことはあります。でも操作性の違いがあまりに大きくてかなり扱いにくいです。緊急時は別としても、ミラーレスをメインで使用するにはちょっと無理、少々重くても一眼レフを手放すことはできないというのが現在の結論です。

フィルターは C-PL が必須、水面や濡れた岩肌の反射をコントロールするために、まずは PL が必須です。さらに条件によっては 3~4段減光できる ND があればさらによし、表現も広がるでしょう。ブランドは KENKO が有名ですが、使い比べた上で、私は主に MARUMI を使用しています。微妙かもしれませんが、使いやすいですよ。

撮影時のシャッタースピードは、通常は 1/4~2.0sec. くらいを狙っています。少し躍動感が欲しければ 1/13 sec. 前後を試してみる事も多い。撮影モードは Tv(シャッタースピード優先)で撮るのが妥当ではないかとは思いはするものの、慣れの問題もあって、私は Av(絞り優先)で、露出補正 -1ev をデフォルト設定として撮っている(設定をカスタム登録している)。

 

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バリアングルは助かるよ


 

 

 

 衣料

帽子(ヘルメット)、ウインドシェル(パーカー)、作業ズボン、クライミング手袋

長袖・長ズボンは必須。ズボンは汚れても破れても遠慮のないものがよいので、職人の店で売っている速乾性(ポリエステル100%)の作業ズボンを愛用している。

手袋はロープや木の幹や枝を握っても大丈夫なものがよい 。滝までのアクセスにもよるが、よく分らないところはヘルメット常用が望ましい。

 

 

 

 靴、ソックス

スバイク長靴、沢靴、トレッキングシューズ、トレッキングソックス

沢に入るのが分っていたら沢靴を使う事もあるが、ほとんどはスパイク長靴で間にあわせている。靴に関しては一長一短があるが、慣れたもののほうがよいと思う。水周りでは滑りやすいのは仕方がない。

靴下はモンベルの中厚手のウイックロン素材、予備で防水ソックスを携行している。防水ソックスで水に入るのではありません。濡れてしまった靴や長靴はどうにもならないので、帰路で防水ソックスに履き替えて利用する。

 

 

滝へのアプローチは、一般の山歩きに比べると厳しい場合が珍しくない。足場は悪いし滑る、ヤブやブッシュも決して珍しくはない、濡れたり汚れたりすることも珍しくありません。やれんよ、正味のハナシ。

 

 

 

 クライミング装備

常用 : 8mmロープ10m、フラットスリング120cm,150cm、細引きスリング60cm×2本、120cmx1本、カラビナ4個

 

フル装備 : 上記に加え、シットハーネス、エイトカン、8mmロープ 20m、30m、フラットスリング60cm×2本、120cm×2本、細引きスリング2本、カラビナ7個

 

ハーネスはエイトカンを使うときには使用しますが、通常は簡易チェストハーネスで済ませています。 ロープはできれば20mを常用したいのですが、決して軽くはないので、普段は軽量化のために10mをザックに入れています。

懸垂下降、クレイムハイスト等フリクションノットによるセルフビレー、1/3倍力システムの構築の他、いくつかの支点の確保ができればいいかなという程度の装備です。

 

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常用装備

 

 

ブランドはブラックダイヤモンドで十分だと思いますが、マムートのロープやカラビナは質感がいいですね、気に入ってしまいました。

 

ロープワークは、事前にいくらか練習しておかなければ意味はありません。

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 食糧、飲料

その日によって適当

食糧はパンとかおにぎりとか、飲料は500~1000ml くらい。極力最低限で済ませている。足の痙攣対策で芍薬甘草湯は常備している。

疲れた足にはアミノ酸が効く。量のコントロールができるアミノバイタル タブレット が利用しやすい。1時間の行動でで2錠、2時間の行動で4錠って感じ。

 

アミノバイタル タブレット 120粒入

アミノバイタル タブレット 120粒入

 

 

 

 

 その他

ヘッドライト、iPhone 2台、防水カメラ Fujifilm XP90、熊鈴・ホイッスル、予備手袋、マーキングテープ、タオル2本

 

ヘッドライトは一度しか使ったことがない、スマホは予備を持っている、ホイッスルはサンバホイッスル、マーキングテープは帰り道が分るように(ビニールテープよりも目立つ)

 

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 以上は無雪期のことでして、雪があるときや氷瀑では衣類や足回りの装備が増えてきます。いずれにしても、滝に関しては、観光滝までにしておいたほうがよいのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

Kenko NDフィルター PRO1D プロND16 (W) 49mm 光量調節用 249444

Kenko NDフィルター PRO1D プロND16 (W) 49mm 光量調節用 249444

 

 

 

岡山県 和気町 水引の滝 小原の滝 再訪

岡山県の南部、備前の国の和気町にある滝を再訪して来ました。以前から、いつでも案内するよと申し出ていたところ、都合がついたというお誘いを受けて百選マスター殿と同行してきました。しかしながら、あまりに久しぶりだったので、不案内な先導になってしまいました。

 

そもそも岡山県には、地形的な事情もあって見ごたえのある滝はあまりありません。特に南部となると顕著です。そんな中でも探せばまったくないというわけでもなく、今回の「水引の滝」と「小原の滝」は水量の問題はあるものの、比較的荒々しい見ごたえのある滝です。

ただしその分アクセスはそこそこ厳しい、慣れない人が安易に近づくのは危険です。特に小原の滝は一歩間違うと滑落します。前回はロープを使いませんでしたが、今回は安全を期してロープを使いました。どちらの滝も 8mm 20m を一本持っておいたほうがよいでしょう。

 

 

水引の滝

 

水引の滝は、総落差30m、二段の滝で、かなり荒々しいゴルジュに落ちています。本滝の手前には落差10m弱の前衛滝がある。これを乗り越える事ができれば目の前にある主滝への最短ルートだが、これが簡単ではない。仕方がないので、前衛滝から少し下って左岸を大きく巻き上がり、滝の上流で右岸に渡って、右岸の急斜面を降りて主滝の前にたどり着くことになる。

前回来た時は道を探す気もなく、ただただ沢の中を歩いて遡行したのですが、今回は道らしきものを見つけました。どうやら滝の上まで続いているようです。

 

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水引の滝 上部(落ち口)

 

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水引の滝 右岸のガレから

 

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水引の滝 二段の主滝を直下から

 

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水引の滝 前衛滝

 

下記の道中記は前回(2016年4月)のときのものです。

www.yamareco.com

 

 

 

小原の滝

 

総落差27m、三段の滝はかなり見ごたえがあるが、アクセスはかなり厳しい。沢沿いを登り、左からの支流を過ぎると非常に困難になる。

沢を直接遡行する最短のルートは大きな岩をいくつか乗り越えていかなくてはならない。もしグラッと落ちてくるような事があれば命の保障はない。

左岸は絶壁なので巻くなら右岸だか、これとてわずかな木の根や立木を頼りに急斜面をよじ登ったりトラバースするか、上からロープを下ろしてよじ登るか。いずれにしても危険の範疇は避けられない。

 

 

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上のほうに本滝が見えている、この急斜面で、あの大岩群を登っていければ滝までは近い

 

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小原の滝 上段と下段

 

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小さな中段がある

 

 

下記の道中記は前回(2016年4月)のときのものです。

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かなりのんびりとした滝行でしたが、この二本で丸一日かかりました。足への負担や疲れは熊山登山よりはきついような気がします。長靴は便利がいいですが、登山靴に比べると足の負担は登山靴よりもあるようです。