道楽者の詩

写真とカメラ、山登り、ジムニー、ギターをはじめ、日々の私情をつらつらと

アコースティックギター 木目と音の話 #1

Martin D45 1979

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現在はもう手元にないのですが、一時期所有していたギターのトップの木目です。型番など言わなくてもお分かりになるでしょう、往年の世界最高峰のギター Martin D45 ですが、その中でもこれほど目の詰まったものは見たことがありません。シトカスプルースです。

 

シトカスプルースは、アラスカで採れる材です。戦前は工場の近場のアディロンダックスプルースが使用されていましたが、良い材をさがしてシトカスプルースが使われるようになったといわれています。豊富にあったので、選別もやりやすかったのでしょう。

 

このトップ材の冬目と夏目の色のはっきりさ加減は、ごく普通かもしれません。木目のまっすぐさは、 一級品です。世界最高峰の名に恥じぬ材です。現在うちにある中では、SantaCrus OM がこれに近いですが、木目の幅は倍くらいありますし、目のストレートさ加減は、この D45 の足元にも及びません。


かつてこの D45 のショルダーの部分だけでもいいから木目の数を数えろとのご指令が出たことがあります、でもまともには数えられませんでした。概算で120本と答えたら、疑念を抱かれてしまいました。現オーナーさんに数えていただきましたら 133本ということでした。

 

1970年後半のMartinは、D35もD28もふくよかな音というか低音にしまりがない音というか、ややそんな傾向になってきていましたが、このD45はガラスを割ったようなキレのよい音がしていました。音が鳴りやまないので、連続してストロークするのがためらわれるような響きのいいギターでした。

 

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超一級品の木目のトップを持つギターがつむぎだす音は、弾き手の腕次第でした。。。

同じD45を使っても Neil Young のようなサウンドは出せませんね。S&Bがハカランダじゃないからでしょう、たぶん、きっと、そのはずです。。。