道楽者の詩

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カーリング女子世界選手権 スキップ藤沢五月に惚れた

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ただ今カナダのとある田舎町でカーリング女子の世界選手権が開催されています。BSでライブ放映されてはいるものの、ゴールデンタイムではあまり報道はされていません。ライブ放送は深夜~早朝が多く、完全に寝不足というか昼夜逆転しています。それというのも、あれよあれよという間に決勝進出を果たしてメダルも確定させるという快進撃を続けているからなのです。

 

 

 

www.worldcurling.org

 

 

正直な話カーリングに関してさほど興味があったわけではありませんし、この大会のことは事前には全く知りませんでした。大会のことを知ってからも、どうせ真ん中より下の順位(世界では通用しない)で終わるんだろうなと思っていました。ところが韓国との激戦を制したと知ってから急に胸騒ぎがして、ライブ観戦をし始めました。

参加12チーム中上位4チームが決勝ラウンド(プレーオフでの順位決定戦)に進出できます。日程を確認すると、予選の最後の二試合は過去の戦績的には勝てそうもないイングランドとカナダとの対戦でした。これは結局ダメなんだろうなと失礼なことを思っておりましたところ、この強豪チームにギブアップ(コンシード)させる大差で連勝してしまいました。これには感動させられました、目頭が熱くなりました、本当にすばらしいチームワークでした。

その結果、全体の二位という歴史的な戦績でプレーオフに進出しました。快挙です!

youtu.be

 

現在、チームジャパンの世界ランキングは9位、世界大会でのプレーオフ進出は初めてということです。プレーオフ初戦では予選を一位通過したスイスに負けてしまいましたが、準決勝でロシアに延長で勝ちきって、決勝に進出しました。メダル確定です。そして本日早朝、優勝をかけて、みたびスイスとあいまみえることになります。

 

解説によると、プレーオフに進出するだけでも快挙、決勝進出(メダル確定)なんて信じられない、関係者としては夢のようだということです。夢を見始めた10年前の状況はこちら

 

これって、かつて同じようなことがありましたよね。2011年、女子サッカードイツワールドカップです。今回チーム藤沢がイングランドとカナダに連勝した時、なでしこがそれまで全く歯が立たなかった開催国のドイツから勝利をもぎ取った時のことが頭に浮かんできました。

なでしこはリオオリンピックの出場権を逃してしまいましたが、それまでは世界の舞台ではメダルに手が届かなかったり、好成績を残すことが出来なかった競技であっても、「自分達も、もしかしたらやれるんじゃないだろうか」という気にさせたという意味で、ものすごい影響力があったのではないかと考えています。ですので、個人的には現在のLS北見の快進撃はどうしてもなでしこの偉業の延長線上として捕らえてしまいます。

 

本橋が率いるロコソラーレ北見というチーム

さて日本代表のカーリングチームはナショナルチームが結成されるのではなく、既存のチームがそのまま日本代表として出場します。サッカーのクラブ対抗戦みたいなものです。今回はロコ・ソラーレ北見(LS北見)というチームが日本代表として出場しています。2015年、日本カーリング選手権大会に初優勝し、2枠のアジア予選を勝ち抜いて掴んだ世界選手権への出場権です。結成六年目での偉業でした

今回出場しているLS北見はその名の通り5人全員が北見市出身です。チーム青森のメンバーとして2006トリノ・2010バンクーバー、オリンピック二大会連続出場という経歴を持つ本橋麻里が率いて2010年に結成されたチームです。バンクーバーオリンピック終了後、青森から常呂に戻って地元常呂に根ざした「ところっ子」を前面に出して創設されたチームです。しかし当の本人はただ今第一子出産後ということで、今大会は裏方(リザーブ)に回り、昨年中部電力から移籍してきたスキップ藤沢と、一昨年北海道銀行から移籍してきたサード吉田知那美を中心にしたメンバーで戦っています。見る限り、チームワーク(相互信頼感)は抜群です。

浅田真央に似た感じのスキップ藤沢は、国内で四連覇し世界選手権にもスキップとして出場した元中部電力のスキップ。故田中好子(キャンディーズ)に似た感じのサード吉田知那美は、中学生時代から全国大会で活躍したチームのスキップで、北海道銀行チームの一員としてソチオリンピックを経験した選手です。二人とも若くして世界大会の経験を持ちながらも、目指していたソチを逃した藤沢、そのソチオリンピックに出場するも大会終了直後に現地で戦力外通告を受けた吉田、勝つことの喜びとそれ以上の大きな挫折を味わって夢の途中で故郷に戻ってきた選手です。二人は同い年で、本橋と同じ夢を共有しています。

 

カーリングは競技人口が少ないというか、男子の場合は長野(軽井沢)、女子の場合は北海道(北見市常呂町)出身者が多く、中学時代からの顔見知りが多いようです。

・LS北見の創設者は本橋で、吉田夕梨花と鈴木夕湖(ゆうみ)は創設メンバー。

・LS北見の両吉田は姉妹、あとから加入してきた知那美が姉、創設メンバーの夕梨花が妹。

・LS北見の鈴木・吉田(姉)・北海道銀行の小野寺佳歩は中学時代のチームメイト(常呂中学ROBINS)。ROBINSのコーチは小野寺佳歩の父親であり、その小野寺コーチは現在のLS北見のコーチでもある。

・常呂中学ROBINSは、2006年 第23回 日本カーリング選手権でオリンピックに出場したチーム青森から勝利をもぎ取り、銅メダルを獲得している。

・中学生に敗れた当時のチーム青森には、ともに常呂中学同窓生の大先輩、現LS北見の主将本橋と現北海道銀行のスキップ小笠原が所属していた。騒ぎの様子はこちら

・吉田(姉)は、高校卒業後カナダ留学を経て、故郷の大先輩の小笠原とともに2011年北海道銀行創設メンバーとなる。吉田(妹)と、ROBINSのメンバー鈴木は、前年の2010年、本橋とLS北見の創設メンバーとなっていた。

・吉田(姉)は、小笠原とともにソチオリンピック出場を果たし5位入賞に貢献するが、その直後に戦力外通告を受ける。その後これまた故郷の先輩本橋の誘いに心を揺さぶられ、再起を期して本橋率いるLS北見に参加する。

・現LS北見スキップ藤沢は、現チームメイトの鈴木、吉田(姉)らと同い年で、同じ北見市出身。常呂町の出身ではないが、父親が常呂町出身で元常呂中学の教師。吉田姉妹と鈴木は、藤沢の父の教え子という関係。

・藤沢は高校時代(ステイゴールドⅡ)、ジュニアの全国大会で二年連続優勝を果たす。

・藤沢は高校卒業後はソチを目指して創設された中部電力に加入して、スキップとして国内4連覇を果たし、ソチオリンピック代表候補の最右翼に。しかし最終的には、吉田(姉)・小笠原が所属する北海道銀行に敗れて出場権を逃す。その後本橋の誘いで故郷に戻り、LS北見で旧知の仲間と同じ夢に向かって再起を期す事になる。

 

LS北見のメンバーは、概ねこのような経緯で構成されています。地元が大盛り上がりしていることは容易に想像がつくでしょう。

 


天国から地獄 衝撃の戦力外通告

 

 

www.locosolare.jp

 

 

藤沢に惚れました

予選リーグでは緊張など微塵も見せない戦いぶりでしたが、プレーオフの初戦はかなりの緊張感が伝わってきました。普段はおっとり見える藤沢の表情は、終始険しいというか硬かったです。もう少しで決勝戦が始まります、結果を恐れず普段どおり冷静に賑やかに戦って欲しいものです。

 

ちなみに私、藤沢五月にはぞっこん惚れて、いや大ファンになってしまいました。一つの大会を終える頃には、多くのスキップは声が出なくなるそうですが、インタビューでのガラガラに声はしびれます。懸命さが伝わってきます。気持ちの入った表情とひたむきなプレーに、久々に感動させてもらいました。

www.gettyimages.co.jp

 

 

結末は残酷でした

前日のインタビューで藤沢は「結果にこだわるとナーバスになってしまうので楽しんでやりたい」と言っていましたが、この人が結果にこだわらないはずはないでしょう、たぶん。最後はナーバスになったのか、アドレナリンが噴き出してきたのか、疲れきってしまったのか、失投で決着してしまいました。勝てるチャンスはありました、しかし結果は残念というより残酷です。

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残酷とはいえ、惜敗でした。3時間に及ぶ試合を集中して観戦できるくらいの接戦でした。勝負の分かれ目、金と銀の分かれ目は、スキップのラストストーンが直接の原因でしたから「私の責任」と勝負の責任を一身に背負おうとするその気持ちは分ります。しかしひと泣きしたら藤沢さん、冷静に考え直してもらいたいと思う。

藤沢がいたからここまでこれたと思える大会ではありましたが、チームで戦っている以上、勝っても負けても個人の責任ではありません。最後の一投で勝利したからといって自分のお手柄というつもりもないでしょう、ですから最後のしびれた一投は経験の一つとして今後の糧にはしてもらいたいですが、一人で責任を背負い込まないでもらいたい。

悔しいのはよく分ります、銀メダルというのは外の者から見れば好成績ですがやってる本人は本当に悔しいでしょう。しかし皆さんのプレーは、これまであまり興味もなく、集中力など10分ももたない、感動する事など忘れかけたおじさんが、テレビの前に釘付けにされて手に汗握って一喜一憂してしまうほど、感動させてもらったのも事実だということを知ってほしい。本当に Good performance でした。お礼を申し上げたいくらいです。

これからも世界チャンピオンを目指して、本橋さんに気兼ねせず、世界一のチームワークを武器に感動するパフォーマンスを見せてください、藤沢さん、そしてLS北見のチームの皆さん。

 

最終結果は二位ということでチームジャパンのオリンピック出場権はほぼ入手したようなものですが、必ずしもこのチームが出場できるわけではありません。国内での選考会をパスしないといけないので、これまた残酷なものです。出来ることなら、オリンピックで活躍する藤沢の姿を見たいものです。どんな競技であっても、プレーヤーは頂点を目指すべきですが、観戦者である私は、必ずしも金メダルだけを期待しているわけではありません(二位だとダメなんですか?、という意味ではありません)。

 

成田空港にて帰国会見

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 マリリンは大人になったなぁ~というのが率直な感想ですね。総監督かGMみたいな存在感で、10年前のあくびちゃんの面影はなくなってしまいました。写真(撮影角度)によっては釈由美子に似てきたか、いかんいかん。

記者の方にはもっと競技に関する質問をして欲しい、読者が知りたいことを読者に成り代わって質問するのなら、もっと勉強してから記者会見に出席して欲しいですね。記者には失望です。

 

ちなみに出発の時の様子もアップされていました。根強いサポーターがいらっしゃるのですね。それにしても花束の大きさが桁違いです。

 

こうしてみてきますと、本橋は口にはしていませんがオリンピックのメダルを常呂に持って帰りたいと本気で思っているのではないかと感じます。結果もさることながら、プロセスを大切にしたいという意向のようですが、見据えているものははっきりしているようです。そして、それを実現するためにスキップを藤沢に譲る覚悟をしているのではないでしょうか。メダルを取るのは必ずしも自分でなくてもいい、常呂の人間が常呂にメダルを持って帰ることを最優先する、と、腹を決めているかのように思えてなりません。

ワールドカップ優勝の後、沢や宮間がこう言っていました。「ある一線を越えると自分のためだけでは頑張れなくなる、誰かのためで無いと頑張れない」、と。本橋もその域にあるのではないかと感じました。地元、常呂、北見のために、世話になった人たちに喜んでもらえるために、そんな風に思っているのではないかと思えました。

一方吉田知那美のキャラが目立っていますが、それは本橋の容認があってこそ、気兼ねなく振舞えるいるのでしょう。鈴木や吉田(妹)はいまさら気にはならないだろうし、藤沢はある意味助かっているかもしれません。選手がこんなにのびのびプレーできている(実力を発揮させている)のは、本橋が後でどっしり構えているからだと思えてなりません。

本橋のことは、TV越しにトリノに出場した頃しか知らないのですが、彼女の人間的成長には本当に驚きました。プレー面では TeamFujisawa として藤沢が目立ちましたが、LS北見のチームリーダーは紛れもなく本橋です。

 世界で対等に戦うためには、寄せ集めの即席チームではなく、ゆるぎない相互信頼に裏づけされた成熟したチームを作り上げなくてはなりません。それには場合によっては10年単位の時間がかかるとも聞きます。スキップ経験者の本橋と吉田(姉)が藤沢の戦術をフォローしてやれば上手く行くのではないかという気がします。

同じ夢を共有した仲間が集まって、はるかな夢が手に届きそうなところまできているのは事実です。自分達のやり方を最後まで貫き通してもらいたいです。

 

これを読んで、ある程度納得しました。

【カーリング】本橋麻里インタビュー part1 「チーム青森では、自分の限界を超えられなかった」|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva|Other

 

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