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道楽者の詩

写真とカメラ、山登り、ギターをはじめ、日々の私情をつらつらと

久々に買ったギターの弦へのこだわり

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何年振りでしょう、久々にライブに出ることになりました。大学時代のメンバーと二人でやるのは、さあ35年ぶりですかね。その間も2回ほど人前で演奏しましたが、人前に出るのはかなり気が引けます。あちらこちらでちゃぶ台をひっくり返して暴れてみたり、不義理を重ねてきましたので、あまり人前には出たくないわけなのです。

そうはいっても今回はかなり身内の集まりということなので、まあ何とかなるだろうと、四国にお住まいの旧友からのお誘いをありがたく受けさせていただくことにしました。学生のころは、いつでも何でも来いという感じでした、アドリブも楽しいだけで不安なんてなかったし、曲を覚えるのも早かったです。

ところが練習もしないで年だけを重ね、プロミュージシャンとの交流を経験してしまうと、人前で弾くだなんて、恥ずかしさを通り越して自己嫌悪に陥ってしまいそうです。気持ちの問題だけでなく実務的にも、なかなか覚えられない、すぐ忘れる、アドリブが効かない、フレーズが出てこない、曲の途中で飽きてくる、今何コーラス目なのか分らなくなる、集中力が足りなくてほかの事が頭に浮かんでしまうと中折れしてしまう、など、とてもとても人前に立つなんて考えられないというのが偽らざる実情です。

 

そんな思いを胸に秘め、まだ在庫はいくらかあるのに久々に弦と小物を購入しました。

私の弦へのこだわりは、どこで買うのか、どのギターにどの弦を使うのか、ということです。交換時期についてのこだわりはありません、気に入らなければ一日使っただけでも交換しますし、気になければ1年使っていたこともありました。

 

大昔は弦は切れるまで交換することはなかったです。中学生の頃は錆びるまで使っていて、切れても巻き位置を変えたり、弦を繋いで使ったりもしていました。それでもYAMAHAは使わなかったのでこだわりはあったのかな、油紙に入った Morris USA がスキでした。

大学生の頃は2セットで1400円のMartinの弦を使っていました。盆と正月には頑張って Martin Marquis にするくらいで、ほかに選択肢がなかったですね。しかし最近では非常に多種多様な弦が発売されていることをネットで知る事ができます、いい時代です。でもね、田舎の店には置いていませんので入手は難しいのです。

 

15年ほど前は、ギターの本数が15本くらいありました。ですから弦はダースで買っても全く問題なかったので、アメリカから直接個人輸入していました。小物だけならだけなら早かったですよ、下手に楽天で注文するより早いかも。送料は4000円くらいかかってましたので、珍しい弦は友人と分けあって調達したり、ギターの弦を注文したのにバンジョーの弦を送られてきた友人もいたりして、抱ききれない愛人(ギター)と、大量の弦に埋もれて賑々しくすごしていました。

しかしだんだんとお小遣いがなくなってギターの本数は減り、弾く機会も減り、細かいことを気にするのが面倒になり、おまけに最近の弦は切れないし、ということで弦をまとめ買いすることはなくなりました。

現在では、使用する弦は限られており(と言っても一種類にはできない)、Martin MSP4100、MSP4050、JohnPearse 600L くらいなモノです。しかしこの JohnPearse という弦は国内ではあまりポピュラーではなく入手がしにくいのです。拘らなくなったとはいえ、メインで使用している Toru OOO-18S との相性はほかには替えがたく、どうしても手に入れたい弦なのです。

 

ということで、たかが弦の入手であっても近所の店に行くことはなく、少々のわがままにも対応してくれたサウンドハウスへ注文しています。アマゾンは大好きですが、弦をアマゾンや嫌いな楽天で買うことはないでしょう。

サウンドハウス(音屋)というのは、ライブハウスをオープンする時に必要な機材を一手に引き受けるような店で、利益の低い弦のような小物はメインの商品ではありません。それなのに、欲しいといえばダースで納期未定でよければという条件付で、いろんな弦を手に入れてくれました。Martin M540 を調達してもらったときは嬉しかったです。JohnPearseも、最初は「何ですかそりゃ」といわれたものですが、最近は常時在庫をおいてくれていて助かってます。さらに気のせいか、ここで買った弦は新鮮です(これは非常に大切)。

www.soundhouse.co.jp

 

実は弦以外でもこちらの機材リストの大半はサウンドハウスで購入しましたので、結構なお支払はさせてもらっています。

 

 

ちなみに、弦ごときに何故こんなに気を使うのかというと、私の弦に対する間違っていた認識を改めるためでした。いろいろな見解はあろうかと思いますが、私としては弦に求められる大きな役割は、弦そのものの個性は強く主張することなく、ギター本来の響きを引き出してやることだと思っています。

にもかかわらず、長い間、弦を張り替えると「最初はいい音でもだんだんと音が悪くなる」と思っていました。しかしそれは弦のせいではなく、ギターがスカタンなのです。ギターそのものがしっかり振動して、魅力的な音を出すポテンシャルを持っていれば、弦は結構長く使えます。いわゆる弦鳴りでなくボディー鳴りというのがわかってくるようになると、弦に対する考え方は変わってきます。

多くの種類の弦を多くのギターで試してきましたが、最近では、Martin SP にほぼ落ち着いています。JohnPearse と比べると、ややウェットな印象がありますが、ギターの音を出せるよい弦だと理解しています。そのSP弦も最初の頃に比べると品質は変わってきています。ウェット感と張りたてのときのジャリジャリ感がやや減ってきて、より好ましい品質になりつつあるように思います。多くの弦は、一日すれば音が落ち着く(弦鳴り成分が減る)といわれますが、最近のSP弦は最初から弦鳴りが適度に押さえられていて、張ってすぐいい気分で使えます。

 

上で JohnPearse をどうしても使いたいと書きました。私は 600L というフォスファーブロンズを使っています。寿命は Martin SP のほうが上かもしれませんが、乾いた感じを出してくれて、特にショートスケールのギターとは相性がいいと思っています。テンションだけなら Martin MSP4100 も結構なものなのですが、JohnPearse には、どうもそれ(テンション)だけでは語れない魅力があります。逆にウチの Santacruz(LongScale) OM に JohnPearse を張ってもあまり代わり映えはしません。ギターの個性のほうが強いのだろうと理解しています。

 

ギターの個性に応えるのが弦の使命だと納得したのは Elixer を使ってからです。この弦はコーティング弦の先駆けで、もちは非常によかったです。私は1年持ちました。さらに1年半使った友人もいます。その代わり、初期のElixerは、どのギターに張っても同じような音がします、ギターの個性より弦の個性のほうが強いということでしょうか。やっぱりMartinに張ったらMartinの音が、古いGibsonに張ったらGibsonの音がして欲しいのですがね。

私はElixerが張られたTaylorを喜んで1年使ったのですが、D'Addario に交換したらさっぱり音が出なくなりました。弦が悪いんだろうと Martin に交換しても似たようなもの、要はギターがスカタンで、1年もの間 Elixer の音に騙されて満足していたということでした。ショックでした。

 

よりニュートラルな弦でギターの個性を殺さないようにするのは大切なのですが、一歩進めてギターの個性をより発揮させようと思うと、たくさんの弦を試してよく吟味する必要があります。単純な話では、何でもかんでもフォスファーがよい訳ではなく、ブロンズのほうが相性がよい場合があるということです。さらにいろいろなブランドを試してみようと思うと国内では調達できないので、個人輸入になり、さらにはセットをばらしたりバルク弦からチョイスして使うことを試みるようになる場合もあります。6~4の巻き弦を JonhnPearse 600L、2~1のプレーン弦を Martin M140(M540) にしてみたいという気持ちがありますが、まだやってません。

バルク弦のトライアルは行きすぎとしても、弦選びは一年以上かかってしまうことがあっても不思議ではないのです。

 

興味のある方は、手始めに Martin MSP、ダキスト、ダダリオ、GHS、DR、JohnPearse、Elixer nanoweb、ERNIEBALL Earthwood あたりを試してみるといいでしょう。