道楽者の詩

写真とカメラ、山登り、ジムニー、ギターをはじめ、日々の私情をつらつらと

山にGPSや地図を持たずに登る人

地元の低山専門の私ですが、地形図を表示できるGPS&マップをインストールしたスマホは必ず携行しています。地図がスキということもあって、何度も登ったトレーニングコースの標高500mの低山に行く時でも例外ではありません。フル充電2回分のモバイルバッテリーも携行するようにしていますし、積雪期は予備のSIMなしスマホも持つようにしています。

 

ところがGPSどころか地図も持たずに、いわゆる丸腰で登ってきている人に何度か出会いました。忘れられないのは大胆な年配のご夫婦、入山した登山口の地名も分らない、さらには初めての山域だということ、その上で道を尋ねられました。

私もいつものトレーニングの山域なら手ぶらということもありましょうが、この時はひっくり返りました。道迷い遭難予備軍かもしれません。

 

ここで引き合いに出すのはどうかとも思いますが、先般新潟でなくなられた親子も道迷いが原因の遭難と聞きます。

mainichi.jp

 

 

道迷い遭難のリスクから身を守るためにも、何はともあれマップとかGPSは携行していただきたい、低山であってもこれだけはお願いしたいものです。

 

 

適切なアプリをインストールされたスマホと、予備バッテリーだけでもよいと思います。スマホは通信会社との契約がない SIMなし でも大丈夫。自分の現在地の表示と、歩いてきた履歴(ログ)を記録できます。それだけでも、?と思った時に正しい方向を確認することが出来るので、道迷いによるトラブルは激減するでしょう。

 

 

電子機器だけでなく紙のマップも必要と言われてはおりますが、私は紙マップは携行しても現場で利用した事がありません。地形図を読むスキル、方向を特定するスキルがあったとしても、紙のマップとコンパスで現在地を特定できるスキルがなければ、紙のマップは現場ではあまり役には立ちません。逆にスマホのマップアプリを利用するにしても、地形図を読むスキル、方向を特定するスキルは必要です。

私などスキル以前に目が悪いので、25000分の1スケールのマップを利用するのは少々辛いです。高価で見難いウォッチ式の製品も、自分にはどうかなと思っています。紙マップとコンパスはあまり重いものではないので、携行しても問題ありませんが、あまり期待もできません。

 

地形図というのは国土地理院が作成した等高線を基本とした地図で、登山道は破線で記載されています。しかしこの登山道は必ずしも正しいとは限りません。道があるのに記載がなかったり、記載があっても廃道になっていたり、はたまた高度が間違っている場合もあります。常に最新状態をキープするのは困難ですから、いたしかたありません。しかしそんな「登山道情報」をあてにして入山するのは如何なものかと思わないではいられません。

ところが今年から、本家国土地理院はより正確性を向上させるべくヤマレコやヤマップのログデータを利用するようになりました。英断だと思います。

 

 

 

昭文社の「山と高原地図」は、百名山レベルのメジャーな山域なら信用できるでしょうが、マイナーな低山の場合は怪しかったり、カバーされていない地域は少なくありません。

 

 

私はどうしているかというと、国土地理院と同じくヤマレコかヤマップにアップされているログを参考にさせてもらっています。ヤマレコにアップされているログからダウンロードした gpx ファイルを自分が使用するスマホアプリのマップに読み込ませて地形図上に描きます。現地で選択肢を増やすために、複数のログを重ねて表示させる場合もあります。これで自分が歩くべき実績のある道が引かれた事になります。

ただし、手書きでかかれているログやサンプリングが少ないログは精度が落ちます、また、古い記録の場合や季節が異なる場合は情報の鮮度が落ちます、さらに達人によるバリエーションルートかどうかは記録を精読して十分確認しておくなどの注意は必要です。

 

スマホのマップアプリとしては YAMAP、ヤマレコMAP、Geographica などが有名です。自分は iPhone でしか利用できませんが、FieldAccess2 という有料アプリを使用しています。動作が軽いうえにバッテリーの消費が控えめです。


どのアプリが使いやすいのかは人それぞれですが、自分で地図読みできるようになろうと思えば、Geographica か FieldAccess2 がよいと思います。マップには等高線と正確な位置情報とルート情報だけ提供してもらい、あとは自分で考えて自分で判断しなくてはなりません。

iPhone でしたら迷わず FieldAccess2 をお勧めします、自分はこのアプリが使いために iPhone を手放せないといっても過言ではありません。

 

bluesboy.hateblo.jp

 


過去のログを一枚の地図に表示させるとこんな感じになります。自分のログであれ、ネットからダウンロードしたログであれ、これで登山道の表示ができています。元来の地形図に登山道(破線)の記載がなくても、実績のある道が表示できているわけです。

あとはこの状態で歩くだけです、行動中に不安になったら現在地を表示させることで事故は未然に防げるでしょうし、残りの行程もイメージできるでしょう。

 

 

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山に行くならスマホを積極的に使用しましょう。あわせて読図の基本スキルも身につけましょう。決して難しいことではありません。

モバイルバッテリーもついでにセットで、軽いのがいいと思うよ。

 

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