道楽者の詩

写真とカメラ、山登り、ジムニー、ギターをはじめ、日々の私情をつらつらと

夢を見させてもらった94分、開いた口がふさがらぬままゲームオーバー

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ロシアワールドカップ、ベスト16、日本対ベルギーの一戦は、良くも悪くも夢を見させてもらった94分だった。2点のリードを得たときには、観戦者の私でさえ、心中穏やかではなかった。そこに至るまでのベルギーのパフォーマンスと日本の対応と残り時間を考えると、3点めを取りに行くか、ゲームを落ち着かせるか、交代枠も含めて迷うところだっただろう。

 

しかしやっぱり世界のトップはレベルが違った。メンバーを入れ替えて、ちょっとギアを上げれば別世界のパフォーマンスを披露した。西野監督の「ベルギーを本気にさせた」という言葉が、まさにぴったり合う表現だ。

かつて陸上の高野進が、「ファイナリストにならないと世界トップの全力を体感できない」という趣旨の発言をしていた。高野は陸上400mの選手で、バルセロナオリンピックのファイナリストだ。日本にとっては悲願のファイナリストで、田舎の400mランナーだった私にとっては神の一人である。五輪の400m競技は予選・準決勝・決勝と3レースあり、予選と準決勝を勝ち抜いて決勝に進出した8人をファイナリストと呼ぶ。

世界のトップは体力温存のため、ピークを決勝に持ってくるために、予選と準決勝では100%の力を使わずに「流す」事が一般的である。予選、準決勝で隣のレーンで走ったとしても世界のトップからはまともに相手にはしてもらえない。世界のトップの本当の実力は、決勝の舞台でないと体感できないということであり、本当に「参った」と納得し、次の対策を練るにはファイナリストになる必要があるのである。

 

おそらくベルギーは、次のブラジル戦の事も考慮して100%の力を出していなかったのではないか、あわよくば流してそのまま勝ちきろうとしていたかもしれない。勝つには1点差で十分なのであり、それ以上の無駄な力を使う必要はないのである。

しかし、2点もリードされて尻に火がついた、一気にギアを上げてきた。日本にとって2点のリードは試合を難しくしたといえるかもしれないが、「本気にさせた」というのが正しい。結果として追いつかれ、そして負けてしまったのは残念だが仕方がない。よい夢を見させてもらったと感謝さえしたいと思う。

 

願わくば、せめて延長の寝技に持ち込めなかったのか。ポーランド戦で見せた狡猾さはどこに行ったのか。確かに今回の結末は美談にしたいほどドラマチックであったとは思う、ドーハの悲劇にも似た結末であった。開いた口がふさがらぬままゲーム終了の笛が鳴った。

それでも94分、タイムアップ直前のCKは、ショートコーナーなどでボールをキープして、同点のまま延長にもつれ込むという手はなかったのか。もう少し夢を見続けさせてもらいたかった。試合の結果は受け入れるとしても、高さで圧倒的に不利であるにもかかわらず、本田の最後の放り込みキックには失望と残念な思いが残った。

 

それはともかくサムライジャパン、お疲れ様でした。