道楽者の詩

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過敏性大腸炎でお困りの貴兄へ

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イストロン(ロペラミド塩酸塩 配合)とロペミン

 

罹患していない人にはおそらく実感としてはわからないだろう「過敏性大腸炎」の苦しみ、その時々で多少の違いはあれ、かれこれ50年ほど患っております。

 

 

一声に「過敏性大腸炎」といっても、その範囲はある程度広いようで、原因や症状は人それぞれという話です。私の場合は、自律神経失調により、「ここで下痢するとまずいよな」という思いが頭に浮かぶと、自分の意思に関係なくこらえられない便意を催します。目が乾くと瞬きをするように、眠くなると勝手にあくびが出るように、自分の意思とは全く関係ないのでこらえる事はかなり困難です。排泄物が残っているかどうかも、まったく関係ありません。でも症状が出るのは午前中だけ、正午を過ぎるとほとんど大丈夫というから、本人であっても理解に苦しみます。

 

50年近く患ってきましたが、昨年から利用している「イストロン下痢止め」という市販薬を頓服的に服用することで、ほぼ対処できています(成分から察するに、「ストッパ下痢止め」でも効能は同じだと思います)。イストロンとかストッパというのは、ロペラミド塩酸塩の効用で強制的に腸のぜん動運動(排泄物を送り出す運動)を止めるということです。

 

 

イストロンとの出会い

実はイストロンという市販薬を服用する前には、内科医から「ロペミン カプセル1mg」という薬をお試しに処方されたことがあります。そこそこ付き合いの長い医者で、効きそうな薬を順番に処方してもらっています。このロペミン、確かに効果はあるのですが、服用後も2~3日くらい効果が続き、中途半端な便秘になって数日間は苦しみます。ですのでここ一番、その後3日ほどは自宅に篭れる、という状況であれば服用しましたが、効果が続きすぎるので服用するにはそれなりの覚悟と事後の環境が必要でした。少なくとも通勤対策として、毎朝服用するのはムリです。

 

その後知らされた(登録販売者資格を持った娘から提案された)イストロンは、4錠でロペラミド 1.0mg(ロペミン一錠分)。イストロン一錠は、ロペミンの 1/4 の効力と考えられます。これだと服用する側でいくらか調整ができます。医者に相談したところ、1mg 未満の含有量量の医薬品は探せないので、都合のよいほうを使えばいいだろうということです。 私の場合はロペミンの 1/4 の 0.25mg で十分効きます。服用後10分もしないうちに効果を感じます。

しかしこの量でも服用後1~2日は便秘気味ですので、安易に服用するのは憚られていました。この軽度の便秘を解消するために、いろいろ試していましたが「チチヤスのヨーグルト(毎朝快調)」が効果的だということを発見しました。蒜山ジャージーヨーグルトは美味いのですが便秘改善にはあまり効果がありませんでした。(あくまで自分の場合)

 

※ ロペラミドを毎日服用するのは危険と思われるので、毎朝の通勤対策には向いていないかもしれません。服用はあくまで頓服的に。

 

 

 

医者にも伝わりにくい実情

「罹患していない人にはおそらく(医者であっても)わからないだろう」と表現する根拠は、内科医に相談してもまともな会話が成り立ちにくいことにあります。「そういう人は少なくないから安心しなさい」といわれる事が多く、実生活での不便さは伝わりにくいと感じてきました。効果的な処置がないから苦肉のアドバイスなのかもしれませんが、現実的には適切な処方をされた事もないということです。

原因はストレスなど精神的なことに起因するということなので、心療内科にも相談しました。言葉では理解されているようでも実感としてはどうもお分かりにはならないようでした。車に乗っていて渋滞中に発症すると伝えると「閉所恐怖症」と診断した医者もいました。ストレスがかかるのは狭いからじゃない、トイレに行けないから、漏らす恐怖と戦わないといけないから、と伝えても無理でした。

 

 

 

 原因や症状は人それぞれ

過敏性大腸炎の範囲は広く、原因や症状は人それぞれで微妙に違うと聞かされています。症状は下痢かもしれませんが、食あたりのような下痢ではありません。「ここで下痢するとまずいよな」という思いが頭に浮かぶと、意思に関係なく下痢的便意を催してしまいます。

正露丸は効きませんし、整腸剤やビオフェルミンも全く効きません。軟便にも便秘にも効くと言われ、過敏性大腸炎の特効薬だと自信を持って処方してくれたコロネルもほぼ効果ありません。

いつでもトイレに行ける環境にあれば全く困ることはないのですが、「車の渋滞、それも高架であれば逃げ場がないのでアウト(渋滞になると気をそらすため髭剃りをしていました、いくらかは効果有)」、「電車が来ますとのアナウンスを聞けばアウト、何度見送ったことか(首都圏とは違い田舎の電車は20分に一本)」、「式典とか行事が始まる時間が近づくとアウト」、「トイレのない電車やバスは地獄」。

遊びの最中であっても、「これから未知なる急峻で危険な崖を下って滝へ向かう」とか、「地震で一部崩壊した急峻で危険なピーク(烏ヶ山)に向かう」という場面では緊張からか急に腹具合が悪くなり、それも連続して数回続くことが珍しくなく、なかなか出発できません。

その他にもいろいろな場面で発症しますが、とにかくいつ発症するかわからない。それを心配するあまり、自宅から出発できないこともしばしば。発症するといてもたってもいられない、さらに連続して繰り返されたり、そんな感じなので行動は非常に限定的になります。

 

 

 

原因と影響の大きさ

そもそもの原因は、自分の場合は小学生の時に身内から受けた辱めによって、必要以上に気にする事が習慣・慢性・常態化し、もうどうにもならなくなりました。大学は通学できなくなり、歩いて5分の所へ下宿しました、そして50年患っています。

メニエール氏症候群、脊椎分離症、過敏性大腸炎、罹患したこの三つの病がなければ私の人生は大きく変わっていたと思います。その中でも最も影響を与えたのは過敏性大腸炎です。

時間差出勤を認めてもらってだましだましでも勤めさせてもらっていた会社の社長が更迭されて方針が変わり、特別扱いはできないと通告され、結局は勢いで辞めてしまった。そして、通勤が楽な夜中の仕事をするようになったのも、主たる原因は過敏性大腸炎

気軽に旅行に行けなかったり、小屋泊りの山歩きに行く事が憚られるのも、主な理由は過敏性大腸炎。人が多くて隠れる場所がない富士山や北アルプスに行く気になれないのも、主な理由は過敏性大腸炎

誰かと待ち合わせしたり、行動を共にするのは結構大変なので、いきおい単独行動になりがちです。

過敏性大腸炎は、行動の範囲を大きく制限してしまいます。

 

 

 

こんな私の悪癖を十分理解して認めて付き合ってくれている人はヨメを含めて3人です。繰り返しますが、過敏性大腸炎の症状を事細かに説明するのは難しいです。医者も含めて健常者にはその辛さは実感として伝わりにくいです。原因や症状は人それぞれです、理解ある医者からいろいろな薬を処方してもらって、自分で試して、自分で選ぶ、ということを繰り返していくのがよいと思います。

また常態化・慢性化する前、できるだけ若いうちに対処しておいたほうがよいです。年齢を重ねると癖が強制できなくなります。やがては自律神経が老化して鈍くなるまで待たなくてはならなくなります。 

 

 

【第2類医薬品】ストッパ下痢止めEX 12錠

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