道楽者の詩

写真とカメラ、山登り、ジムニー、ギターをはじめ、日々の私情をつらつらと

逆光は光条を入れて写しこんでみよう

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上のような放射線状に広がる光を見たことがあるでしょうか。これは一般的に光条と呼ばれる現象です。風景撮影は順光で撮影することが多いのですが、止むを得ず逆光で撮らなくてはならない場面や、あえて逆光で撮影する時、この光条と戯れてみるのも一考かと思います。

 

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光条を発生させる条件

点光源を探す

光条が発生する条件としては点光源を画角に入れるということから始まります。点光源というのは、ピンスポットライトのように十分に狭い範囲から発光される 強い光源を言います。分りやすいのは、木の葉の隙間から差し込んでくる太陽の光です。これを画角に入れて撮影するとあっさりと光条が発生します。夜景撮影 では、工場の光、車のヘッドライトなども光条が発生する点光源となりえます。

 

点光源を作る

点光源がない場合は、自分で点光源を作り出します。要は絞って撮影すれば光条は出ます。絞りはたいていはF11~F16くらいで十分でしょう。露出は少しアンダー目(-1EVくらい)にしておいたほうがいいでしょう。ただ、あまり長い間ファインダーで逆光を見つめているのはよくないので注意してください。

 

フィルターを使う

無理やり光条を出す方策としてクロスフィルタというのがあります。いろいろなタイプがありますので、一度は試してもいいと思いますが、控えめにしておかないと雑然となって逆効果になりかねません。

 

光条の形状

光条の原理は光の回折という物理現象に基づいて発生します。レンズによって光条の形は異なります。レンズの中にある絞りという機構の一部に「絞り羽根」というものがあります。この絞り羽根の一つの縁に対して直角方向に二本の光条が発生します。ここまでは前振りです。

結論として

絞り羽根が偶数のレンズでは:絞り羽根の枚数だけ、全て同程度の強く粗い光条が発生します。上の写真は EF24-105mm F4L という絞り羽根8枚のレンズを使用しています。偶数枚の絞り羽根ですから、絞り羽根の枚数である8本の光条が発生しています。

 

絞り羽根が奇数のレンズでは:絞り羽根の枚数の倍の本数の光条が発生します。それぞれの光条は、強・弱・強・弱・・・ と並びます。下の写真は EF-S60mm F2.8 Macro という絞り羽根7枚のレンズを使用していますので、全14本の光条が発生しています。

 

どちらが好みかといえば、個人的には絞り羽根は7枚か9枚のレンズがスキです。光条も美しいですし、丸ボケも綺麗です。テレビのドキュメント番組などでも時々光条が映し出されます。なぜか6枚物が多いという気がしています。キャノンのレンズも偶数枚モノが多いという印象です。

 

点光源と面光源

ちなみに点光源の反対語として面光源というのがあります。自然界では、霧の中の光(拡散光)は面光源に近いです。スタジオなどには面光源を作る照明機材があって、人物撮影、商品(カタログ)撮影などに使われます。自宅で面光源を得るには、蛍光灯にトレーシングペーパーを巻きつけることで簡単に実現できます。面光源を上手く利用すれば適度なコントラストで、きつい影が押さえられて、自然で柔らかい撮影をすることが出来ます。