ハイキング的山登りで使うロープの選び方
山に行く時にはロープを持っていったほうがいいという話を聞きます。しかし実際には、日帰りのハイキング的な山登りでは道もはっきりしている場合が多いので、ロープなんてほとんど必要ありません。
一方、ガイドをされる方は、日帰りでもロープは必携ということです。またパーティーのリーダーはロープを携行されている人が多いようです。後続のメンバーが、危険な場所を安全に通過するためにロープを張って補助する場合に使われます。
私の場合は通常はソロですので、自分のためにしか使用しません。主に急坂などの危険地帯を下降する時に使うか、ロープを使って降りてきた急坂を登り返す時に使うくらいなものです。使用頻度は低いのですが、想定外の事態もあるものですから多少の用意はあったほうがいいと思います。
たいていは下記のようなものからピックアップして保険で携行するようにしています。
・メインロープ1本
・カラビナ2~3個(内ひとつは環付)
・スリング2~4本(150cmフラットスリング 1本、120cm の 5mm径スリング1本、60~70cm 5mm径スリング 3本)
これだけあれば、メインロープの長さの半分までの懸垂下降、簡易チェストハーネス、簡易シットハーネス、プルージック・クレイムハイストによるセルフビレイ、1/3倍力引揚げシステムの構築、最低でもこのくらいのことは出来ます。
メインロープは時と場合によって入れ替えますし、フル装備の時はシットハーネスとエイトカンのほかに、スリング、カラビナは数セット追加します。
メインロープなんですが、今はどこのブランドのどれを買えばいいか特に迷いはしませんが、最初はさっぱり分りませんし、アドバイスしてくれる人もいなかったので困りました。ロープの選択は使用目的次第なのですが、ロッククライミング用のロープやアルパインクライミング用の50~60mのロープが話題になります。ハイキング的山登り(山歩き)で、基本ソロ(単独)の私が使うのは、一般的には補助ロープといわれる範疇の使い方、らしいのです。
これが分るまで、相当時間がかかりました。この単語の意味が正確に判っていないと、文章にしろ、口頭にしろ、コミュニケーションが出来ません。
というのも、本人は一生懸命 climbing しているし、稀には宙吊りになる場合もあります。ロープでセルフビレイ(自己確保)しているとはいえ、足が滑って数メートル滑落することもあります。そこへ「クライミングで使うのなら~」といわれたら、自分のやっている事が相手のいう「クライミング」に入るのかどうかよく分らないのです。
そもそもロープを使って降下するのは理解できますが、ロープを使って登るって言うのは全く理解できませんでした。リードロープとかトップロープとか、一度本物を見たらすぐ分るのですが、まさに百聞は一見にしかずでした。私は岩壁や氷壁をロープで登ったりしませんし、基本は単独行動です。
懸垂下降という言葉もどうもよく判っていません。ロープを背中にまわして斜面を下降するのも、橋から河原まで垂直に宙吊りで下降するのも、どちらも「懸垂下降」と呼ぶらしいです。
ということで、「補助ロープ」という意味が理解できるまでは、参考になる記事を理解するの苦労しました。いつものことですが、自分で買って試してみるしかありませんでした。
8mm径のロープは、ベアールのランドの他、エーデルワイスのパワーロープ、ヒルウォーカー、ディスカバー、ジルモントのハイキングロープを使ってみました。
5mm径のロープは、エーデルワイス、好日山荘の取り扱い品、モンベルの取り扱い品を使ってみました。エーデルワイスが強そうですが、色がグレーしかないのでモンベルの店に置いているロープを愛用しています。
現在はメインロープとしていつも携行しているロープはこんな感じです。
・日帰りハイキング:5mm 10m を常用
・滝撮影:8mm 10m を常用、場所に寄っては 8mm 20m or 30m
単独行動で保険的に携行するロープは、結論から言うとあまり伸びないロープがよいです。
・ダイナミックロープ:高所からの滑落の際の衝撃を吸収するために伸びるロープ。
・スタティックロープ:高所に留まって作業するために、体勢を安定させるためのロープ。
一般的にこのように分類されていますが、「伸びる」にも程度があります。そんなこともよく分らず最初に買ったのは、上の写真のオレンジ色のベアールのランドという製品です。軽くて安価という理由だけで選びましたが、使用目的からすると失敗でした。2年以上使いましたが、ロープを頼りに急斜面を降りるときに伸びすぎて怖いのです。結局現在は犬を繋ぐロープになってしまいました。散歩用のリードロープもこれを短く切って作りました。
クライミング用のロープはUIAAの審査を通過した製品が安心できそうですが、私のように「墜落(落下)ではなく、斜面をズルズル滑り降りる際に、致命的な滑落から身を守る」ために使用する補助ロープでは、さほど気にすることはありません。工事用のトラロープでは少々問題ありますが、安くて軽いエーデルワイスのヒルウォーカーがよいと思いました。
エーデルワイス EDELWEISS ヒルウォーカー 直径8.0mm 20m レッド EW0237
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ヒルウォーカーは今でも使いやすいとは思っていますが、実は一回使っただけで手放しました。なぜか、それは残置しておいたロープを探す時にとても探しにくかったからです。色がくすんだ感じなので、山の中(特に谷筋)に残置しておくのは適切ではなかったです。黄色~オレンジ色が使いやすいので、ジルモントのハイキングロープに買い換えました。色の問題以外は使いやすいです。
マムートのジェネシスドライもよかったです。50mを二人で共同購入して、半分にして使うというのもありでしょう。
当分買い増しや買い替えの予定はないですが、今後買うとしたらスタティックロープを使ってみたいですね。
カラビナは、主にブラックダイヤモンドのポジトロンを使用していますが、もう少し軽いロックテリクスのカラビナもお勧めです。ワイヤーゲートは特別な理由がない限りお勧めできません。
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