準天頂衛星「みちびき」の本格運用で、私のGPS測位精度は向上するのか
昨年打ち上げが成功した準天頂衛星「みちびき」の本格運用が2018年4月から始まります。測位誤差が 10m レベルから cm レベルへと格段に向上するということで、普段からGPSの恩恵にあずかっている私としては非常に楽しみです。
ということで、遅ればせながら事情を確認してみました。
iPhone7 を利用している私も、「みちびき」の恩恵にあずかることができると思うとわくわくしていました、
ところが、結論からいえば、
ほとんどのスマホやカーナビでは、測位精度が格段に向上することは期待できません。
知らなかったとはいえ、少々落胆。
iPhone7 をはじめとする一般の機材は「みちびき」の位置情報を受け取ることができますが、「みちびき」が提供する全ての情報を受け取ることができるわけではありません。「みちびき」は下記の9種類の情報を提供してくれますが、一般のスマホはその一部だけしか受信できないということです。
iPhone7 が受け取れるのは「補完信号」とされる L1C/A だけです。とはいってもスマホごときのGPSでは、ひとつでも受け取れるだけでも御の字ではないかとも思います。「みちびき」が提供してくれる情報のうち「補強信号」とされる下記の二つの情報を受け取れないと、cm レベルの高精度の位置情報を得ることはできません。
現在の山歩きの運用では、谷筋では多少測位が暴れることがありますが、それ以外では概ね満足できています。少なくとも事故につながるような測位誤差はありませんので、今のままでも大きな不満はありません。
L1C/A | 補完信号 衛星測位サービス |
L1C | 補完信号 衛星測位サービス |
L1S | 補強信号 サブメータ級測位補強サービス |
L1Sb | SBAS配信サービス |
L2C | 補完信号 衛星測位サービス |
L5 | 補完信号 衛星測位サービス |
L5S | 測位技術実証サービス |
L6 | 補強信号 センチメータ級測位補強サービス |
Sバンド | 衛星安否確認サービス |
いくら技術的な解説を理解しても、我々が所有する機材で受信する位置情報が劇的に改善されそうにはありません。まあそれはそれでよいとしましょう。
早合点で思い込むほうにも問題があるのでしょうが、そう受け取っても仕方がないようなメディアの情報発信の仕方にも問題があるのではないでしょうか。
みちびきの送信信号と対応製品リストはこちらで確認できます
送信信号一覧|みちびきについて|みちびき公式サイト - 内閣府
みちびき対応製品リスト|利用者向け情報|みちびき公式サイト - 内閣府
参考サイト