道楽者の詩

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ダム博物館選定、「日本100ダム」

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岡山県 湯原ダム

 

「なんとか百選」というのとはちょっと違うのかもしれませんが、一般の方々に向けて推薦する100基のダムが有識者によって選定されました、というお話です。

主体は日本ダム協会が運営する「ダム博物館」で、有識者とは日本ダム協会が任命しているダムマイスターの方々です。選定されたダムと選定の詳細は下記リンクをご覧ください。

 

damhaku.jp

 

なにを唐突にダムの話を持ち出すのかというと、実は私、初代の「ダムマイスター」に任命されておりました。日本ダム協会から任命書を頂き、岐阜県で開催されたダムマイスターだけのオフ会にも参加させていただきました。ただ、他の方があまりにもすごい方ばかりなので、場違いな雰囲気と肩身の狭さから二期だけ務めて身を引きました。

 

そのような経緯もあって、ダム博物館で「100ダム」を選定したから協力してくれないか?、という連絡を頂きました。今回の件は連絡を受けてから知ったという不届きものではありますが、写真の提供くらいならということで超間接的に超些細に関わらせていただくことになりました。

 

ということで

私でもできる事のひとつとして

日本100ダム

を告知させていただいています

 

 

私は選定された100のダムのうち13基しか訪れていません。ですのであまり強いことはいえないのですが、個人的には異色の島根県の志津見ダムを加えて欲しかったと感じています。

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島根県 志津見ダム 試験放流


志津見ダム堤体完成時の 放流動画 です。

サイズは約58MB(640*480)、曲:岸部真明 Truth (本人無断使用)

 

 

 

 それはそれとして、先般の西日本豪雨災害に関して、一部では「ダムの放流による被害」のようなご意見もあったように漏れ聞きます。残念ですが、それは認識違いです。ダムの洪水調整がなければもっと酷い事態を招いていたことは間違いないです。

ダムの目的には「洪水調整」というのがありまして、大雨が降っても一旦ダムで水を貯め、下流周辺域の洪水被害をできるだけ軽減するために、下流への河川の流量を調節しています。その調整能力はダムの貯水量によりまして、絶対に大丈夫ということではありません。貯水能力を超えてしまうと上流から流れてきた水をそのまま下流に流すことになり、勢いは抑えられたとしても、下流への流量は制御不能になります。洪水調整を目的としたダムは、梅雨前になると水位を下げて貯水力を上げてはおりますが、だからといって空にしておくわけにもいきません。

いくつかのダム管理者にお伺いしたところでは、ダムが満杯になって制御不能になる(てっぺんからオーバーフローする)のは「100~150年に一度」くらいの確率だということです。ダムがあるから絶対に安心だということではなく、下流域の皆様も、心の準備だけはしておく必要があるというのが実情なのです。

 

bluesboy.hateblo.jp

 

お役所が発する「なんとか準備」とか「なんとか勧告」とか「なんとか指示」とかわけの分らんことをいわないで、ダムに関しては貯水量を常時公開してもらいたいものです。私は上流の苫田ダムの貯水状況は苫田ダムHPへ自分で情報を取りに行っています。

川の水位も同じです、危険水位とか氾濫水位とかピンと来ない文言よりも数字で示してもらったほうがリアルです。「あと 1m でどこそこで氾濫する、これまでのペースだとあと一時間」とか。。。

実は私、今回のことで「なんとか指示」っていうのが最上級の警告だとはじめて知りました、お役所内部では「指示」って言われると「絶対命令」なのでしょうが、そんなお役所言葉は一般的ではありません。私など、「指示」って言われると直感的に「やかましい、うるさい」と感じます。お役所が上司と思ってませんから、むしろ市民にとってお役所はシモベでしょ。

住民のほうは住民で、指をくわえてボヤボヤせずに必要な情報は自ら入手するという態度は必要です。何でもかんでもお役所が悪いと悪者を見つけても、被害を被るのは自分です。

 

なんにしても、もう少し実用的で間違いなく「危険」が伝わるようにしてもらいたいものです。