道楽者の詩

写真とカメラ、山登り、ジムニー、ギターをはじめ、日々の私情をつらつらと

物欲と葛藤、コンデジに翻弄された10年の記録

カメラバッグと同じく、コンデジというのはあちらを立てればこちらが立たずで、なかなか満足な一台に出会えません。使用目的を明確にできたとしても、前提であった目的はすぐ増えてしまいます。謙虚な気持ちで入手してもその気持ちは長くは続かず、あちらこちらに不満が出てきてしまいます。

そもそも一台のコンデジで、いくつもの目的を遂げようとするのはムリがあります。一眼レフは2台あるので、コンデジは一台で済ませるよう指導されておりますが、たぶんそれはムリなのです。道具というものは、目的に応じて調達していくべきなのです。そのことが何故財布を握っている女どもにはわからんのか、情けない。

このたびは恥ずかしながら、物欲と葛藤に翻弄されたこれまでの「愚行」を全て吐露いたします。

 

Canon Powershot A200 (中古:2002年3月~)

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周囲の友人が徐々にデジラルカメラを買い始めていた頃、ぐっとこらえてこらえた後に初めて購入したデジタルカメラです。画素数200万画素、乾電池仕様で結構重かったです。東京出張中はよく活躍してくれました。今から思えば画質はよくないですが、初めてのデジカメですから物欲に対する満足感は高かったです。 IXY Digital 600 を買うまでの3年間使用して手放しました。

 

 

Toshiba Allegretto M70 (中古:2004年8月~)

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元プロカメラマンの友人の撮る写真の写りがよかったので、私も画像の質の向上を目指して同じものを入手してみました。今思えば当たり前とはいうものの、同じようには写せません。故障しているのではないかと訝りながら、本来の性能を発揮させる事ができぬまま IXY Digital 600 を買ってから手放しました。

 

 

Canon IXY Digital 600 (新品:2005年3月~)

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「右脳の鍛錬をするのだ」と、わけの分らんことを錦の御旗にして初めて新品で購入した、当時最新型のカメラです。ここから泥沼が始まっていく、エポックメイキングになったデジカメでもあります。半年の間に KissDN、EOS 20D と二台の一眼レフを購入することになり、当たり前のようにレンズ沼、バッグ沼へといざなわれていくきっかけになったカメラです。

このカメラは故障もなくよく活躍してくれました。今振り返ってみても、屋外日中に使用することを前提にすれば、画質的な満足度は高かったです。4年半ほど使いましたがバッテリーも衰弱してきたので転売しました。

 

 

SONY T9 (中古:2009年2月~、8月~)

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満足して IXY を使っておりましたが、さらに使い勝手のよさと軽さを求めて、初めて屈曲型のレンズを搭載したカメラを入手しました。お試しなので中古での入手です。今振り返ると、このカメラが私の求める理想のコンデジに一番近いものだと思えます。

日中屋外での画質は必要十分、軽さ、起動速度、使い勝手など、今思い返しても不満な点は少ないです。壊れやすいという話を聞いたのと生産終了していたので、予備で色違いを入手しました。残念ながら、どちらも一年もしないうちに手ブレ補正が壊れました。

 

 

RICOH CAPLIO GX100 (中古:2009年6月~、8月~、2010年10月~)

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SONY T9 は記録用としてオートで運用していましたので、マニュアルで一眼ライクに撮影できるコンデジも使ってみたくて、元プロカメラマンの友人のお勧めで GX100 を入手しました。

このカメラはコンデジには珍しく、鮮やかさとコントラストを抑えて味のあるアウトプットを得る事ができました。画質的には記録ではなく、スナップ用のカメラでした。操作性はカスタマイズも含め、ステップズームが出来るので、一眼レフで撮影しているような雰囲気を味わえました。

しかしコンデジはボタンが小さいので、操作性は必ずしも良くありませんしレスポンスもスナップ用のカメラとはいえないくらい遅かった。マニアがまったりと遊ぶにはよいカメラですが、速写性と高感度耐性は悪かった。

機械いじりが好きな息子が興味を示すので譲ってやり、自分は買いなおしました。その後、後継の GX200 を入手しようと一旦手放しましたが、GX200 のホワイトバランスはマゼンダかぶりが顕著だったので、またまた GX100 を買いなおしました。結局同じものを三台買ってしまいました。幸いに、2台と3台めは買った値段で売れました。

 

 

Panasonic LUMIX GF1 (新品:2009年10月~)

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全体的なフォルムに一目ぼれしてしまって、パンケーキの GF1 を新品で購入しました。

写りはそこそこ満足できるものでした。高感度は最初に買った一眼レフの Canon Kiss DN と同じく iso800 までは使えました。しかし、一眼レフの代わりでは使えないし、かといってポケットには入らないのでコンデジもならないし、自分のニーズにはフィットしませんでした。旅行の記念写真用として使用するのがいいだろうと思いました。

レリーズボタンのチャタリングも気になってきたので、一年を待たず、手放しました。

 

 

Panasonic LUMIX G1 (新品:2010年2月~)

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ファインダー内臓の G1 が投売りされていたので、思わず買ってしまいました。iso100 で撮影する分には十分な画質でしたし、バリアングル液晶が搭載されていたので、超広角レンズを追加購入して滝撮影専用にすればよかったカメラです。

しかしほかにはつぶしが利かないと言い聞かせ、高価な超広角レンズの購入は思い切れませんでした。でも、今思うと失敗だったかも。多目的機もいいですが、専用機もいいでしょう。

 

 

Canon IXY 200F (新品:2010年8月~)

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SONY T9 が壊れてしまい、記録撮影用のカメラがなくなったので、写ればいいやということで底値に近いであろう価格で購入したカメラです。どこをとっても無難としか言いようのないカメラで、面白味は全くありませんでした。あろうことか、買って数ヶ月で手放してしまいました。

確かにそれなりには写るので、今にしてみれば、割り切って壊れるまで使い続けていてもよかったなぁと思います。

 

 

Panasonic LUMIX LX3 (中古:2011年5月~)

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一度使ってみたいと思っていた LX シリーズを友人から譲り受けました。しばらく使っていたら愚息がほしいというので、カメラに興味を持たせた責任もあるので仕方なく譲りました。

操作する楽しさはあるカメラですが、速写性や携帯性がよいわけではなく、いわゆる便利なカメラではありませんでした。一眼レフのお供的には使いにくいということです。多機能な高級コンデジは旅行で使うのならばよいかもしれませんが、それならミラーレスカメラのほうがよいでしょう。

 

 

RICOH CAPLIO CX4 (新品:2012年1月~)

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テレマクロという特徴的な機能がある機種で、愚妻用に購入したカメラです。人にもよるでしょうが、マクロ撮影というのはすぐ飽きてしまいます。

 

 

SONY TX5 (再生品:2012年2月~)

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薄型のTシリーズが終了して、防水機能を付加して少々分厚くなって発表された TX シリーズ。手ごろな中古品をみつけて入手してみました。防水仕様は必ずしも必要ではなかったのですが、あればあったで便利だということを学習しました。かなり使い込んで調子も悪くなってしまいましたが、ジャンクで引き取ってもらいました。

現在は TX シリーズも生産終了していますが、できれば復刻してもらいたい機種です。

 

 

RICOH PX (新品:2012年7月~)

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リコーのカメラに対しては好印象を持っていたこともあり、たまたまネットで投売りしていたので思わず衝動買いをしてしまいました。屈曲型のレンズは写りがよく無いといわれますが、SONY のT、TX シリーズを愛用していたのであまり心配はしていませんでした。

ところが、思ったほどの画質が得られなかったので、3ヶ月ほど使って投売りしてしまいました。

 

 

Canon Powershot SX260HS (新品:2013年2月~)

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そこそこの望遠(25-500mm)と GPS が搭載されているというので、興味が先に立ってお試しで買ってみました。広角側での画質やホワイトバランスは良好でしたが、望遠側の画質は決して良好とはいえませんでした。

少々重かったのと、GPS測位が非常に遅いのと望遠はあまり必要ないので、使ってみたいと言われる知り合いにお譲りしました。

この経緯があるので、現行の Powershot SX620/720 HS に触手が伸びません。

 

 

Canon Powershot SX50HS (新品:2013年4月~)

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焦点距離 24-1200mm というのは驚異的な超望遠ですので、発売当時はかなり話題になりました。一眼レフでそんな望遠を経験することは不可能に近いので、怖いもの見たさと、1200mm を体験してみたくて買ってみました。

一度は使ってみてもいいと思いますが、ある程度撮影対象が明確でないとおもちゃにしかなりません。コンデジですから、鳥とかスポーツなどの動体モノは苦手です。動かない撮影対象物で超望遠が必要というのはなかなか思いつかなくて、出番は少なかったです。結構いい値段で買ってもらえたので助かりました。

 

 

Fujifilm Finepix Z2000EXR (新品:2014年2月~)

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 SONY がスライドオープン式のカメラを作らなくなったので、スライド式は Finepix しか選択肢がありませんでした。一眼レフのお供にはこのタイプが便利なので、目を瞑って購入しました。屈曲レンズの割には画質は許容範囲で、記録撮影には十分耐えうるものでした。

ただ、2回ほど落下させてしまい、スイッチが入りにくくなってしまいました。落下させることはあまりないのでよく分りませんが、さすがに耐久性はよくなかったのではないかと思いました。

 

 

Canon Powershot S120 (新品:2014年1月~)

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利便性優先のカメラではなく、画質優先のカメラも使ってみたくて入手したカメラです。画質的には、コンデジとしてはよいほうだと思いました。鮮やかな発色で、高感度も iso1600 くらいまで使える感じでした。

欲を言えばもう少し軽いほうがいいのですが、レンズが沈胴式の場合それなりの部品が必要なので、軽いということは可動部の耐久性が乏しいということです。キャノンのカメラしか分りませんが、近頃の沈胴式レンズは壊れやすいのか、レンズエラーの故障が多いような印象です。

このカメラの場合は 5000枚も撮ると、電源を入れたあとレンズが繰り出す時にガラガラと異音がするようになりました。

なぜかキャノンのカメラには、「持つ喜び」「使う喜び」というものを全く感じません。かゆところに手が届かないというか、ツボを押さえてくれていないというか、これだけ力が入っていると思える製品でもそうなのですから、キャノンのカメラは道具と割り切らないと付き合えないと確信を得るに至りました。

 

 

Canon Powershot S200 (再生品:2015年7月~)

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Powershot S200 は、S120 の廉価版として CCD のセンサーを搭載していくつかの機能もそぎ落とされたモデルです。先に購入していた S120 は、屋内で人物の撮影の機会が多い愚妻に預け、自分用に S200 を入手しました。

S200 は S120 に比べて機能は少ないのですが、軽くて薄くて画質は求めるレベルにはあり、注文があるといえば防水くらいで、十分満足させてくれたカメラでした。

ところがそれは突然でした。レンズが飛び出したまま「レンズエラー」と一言残して気絶してしまいました。口を開けて白目をむいたまま失神したような感じです。結構気にいっていたので修理依頼をすると、修理部品が無いということで修理不能となり、結局帰らぬカメラになってしまいました。

入手間もなく、レンズが繰り出す時にガラガラと異音が発するようになっていました。それでも普通に使えていたのですが、壊れるときは突然でした。

 

 

Fujifilm Finepix XP90 (新品:2017年3月~)

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Powershot S200 の後釜として、手袋をしていても使える操作性(大きなボタン)と丈夫さが欲しかったので、軽量の防水のカメラを買いました。画質よりも利便性優先です。ある程度覚悟はしていましたが、画質には問題ありです。精細な描写が出来ないのはある程度我慢もしますが、輝度差に弱く、直射日光が差すとすぐに飛んじゃいます。

その一点さえ目を瞑れば、記録用のコンデジとしては十分使えます。

 

 

Canon EOS M3 (新品:2017年5月~)

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コンデジには、片手で操作ができることと、ポケットにも入る程度の大きさを要求しています。ミラーレス機は少なくとも両手で操作する必要がありますし、ポケットにも入らないので、コンデジの代わりにはなりません。

一眼レフに比べると軽くて小さいので、ザックに入れておくのはさほど苦になりません。シャッターフィーリングは決してよくありませんが、活躍の場を模索中です。

 

 

こうやって改めて見返してみると、散財する理由はこんなところです。

1.画質よりも利便性を優先した、一眼のお供で使用するカメラ

2.一定以上の画質をキープしたうえで、携行に便利なポケットサイズのカメラ

3. 興味本位で買ってしまうカメラ

 

3番目は流行り病みたいなものなので深く考えないことにすれば、一眼レフ(ミラーレスを含む)以外のコンデジは二台必要なんでしょうね。1番の便利カメラは所有している XP90 でいいとして、2番のカメラが手元にないので落ち着かないのでしょう。

ということは、処方箋はやっぱり RX100 か Powershot G9X ということになるのでしょうか?