カーリング 平昌オリンピック女子日本代表決定戦
サッカー、野球(U18)、バレー、柔道など各種世界大会が開催されている最中、北海道の片隅(北見市常呂町)で、カーリングの平昌オリンピック女子日本代表決定戦という国内試合が行なわれています(2017.09.08-09.10)。しかも参加チームはにたったの2チームです。いわゆるサシの勝負ということです。
5ゲームマッチで先に3勝したチームが、2018年平昌オリンピックの出場権を獲得します。
2015年度の日本カーリング選手権大会で優勝したLS北見が世界女子カーリング選手権2016で準優勝という快挙を成し遂げて、日本の平昌オリンピックの出場権はほぼ手中にしました。そして2016年度の日本選手権で連続優勝すれば、その時点で日本代表が確定していたのですが、不覚にも決勝で中部電力に負けて、今回の決定戦が行われることになりました。
個人的にはLS北見、特にスキップの藤澤にはなんとしてもオリンピックに出場して欲しいと思っています。中部電力さんには申し訳ないですが、ちょっと早いでしょう。存続の危機を乗り越えてきたというのは知っておりますが、現時点では戦術的にも技術的にも経験的にもLS北見に一日の長があると思っております。
試合会場はカーリングの本場、というかカーリングとホタテくらいしか名物のない、北見市常呂町です。町民市民を挙げての大応援団がついているLS北見はホームタウンのホームコートで負けるわけにはいきません。
LS北見が世界選手権で準優勝したときは、チームの創設者であるマリリン本橋は産後ということもあってリザーブでした。ところが今年の日本選手権では本橋が復帰して、鈴木夕湖(ゆうみ、タコではありません)がリザーブに回っていました。そのときの雰囲気がもう一つだったので、今回鈴木が戻ってきてちょっと安心しています。
本橋はオリンピックに二度出場していますが、吉田姉妹、鈴木、藤澤の仲良しチームにはちょっとそぐわないかもしれません。後にデンと構えておくほうがチームは機能するような気がします。本橋はチームの創設者ですが、必ずしも本人が選手でなくても北見出身者で構成した北見のチームが結果を出すことを目指していたはずなので、英断だったと思います。
チームのメンバーは、全員北見市出身です。藤澤を除けば全員常呂町常呂中学出身なのですが、その藤澤のオヤジさんは常呂中学の先生でした。
LS北見の創設メンバーは、本橋・鈴木・吉田(妹)。吉田(姉)と鈴木は中学の時、当時日本のトップチームだった本橋や小笠原が所属するチーム青森に勝って全国三位になった間柄。
チータン(吉田姉)は小笠原と同じチーム(北海道銀行)でソチオリンピックに出場したが、大会終了直後に戦力外通告を受け、後に同郷の本橋からの勧誘を受ける。
藤澤は中部電力で国内4連覇をするなど、国内最強チームのスキップだったにも関わらず、最後の選考会で吉田(姉)が所属する北海道銀行に負けて、ソチオリンピック出場を逃がした。その二年後、北見に戻って本橋と合流する。藤澤と、中部電力の松村・清水は4連覇当時のチームメイト。
このようなややこしい関係で、かなり狭い世界の戦いです。ちなみに現在の北海道銀行の5人(小笠原、船山、小野寺、吉村、近江谷)も全員常呂町出身です。
ただ今、3試合終了してLS北見が2勝1敗で大手を掛けています。
スキップの藤澤のショットは、時々大ミスを犯しますが、スーパーショットを決める事があります。ゲームプランは基本攻撃的なうえにギャンブルをすることもあるので、見ていておもしろいところはあるのですがヒヤヒヤする事も少なくありません。
ニコニコして穏やかそうに見えますが、親も舌を巻くほど負けん気の強い勝負師です。中部電力時代の憎たらしいほどの強さは影を潜めましたが、世界大会も経験し大人のスキップになってきています。 そんな藤澤さんには、是非オリンピックという世界の檜舞台で活躍をしてもらいたいと願っております。
祝!、平昌オリンピック出場決定