山登りのコースタイム(標準時間)、情報の少ない山は自力で試算
登山計画を立てる際の参考にと、メジャーな山域ではコースタイム(標準時間)が提示されています。昭文社の山と高原地図が有名で、大山と氷ノ山はスマホバージョンですが私も入手しております。
ほかにはヤマレコなどのSNSや個人のブログなどで、実際にかかった所要時間の情報がネット上にアップされています。
しかしですね、人それぞれ体力は違うし、山歩きの目的も違います。例えば体力的には、私とウチの愚息では歩く速度は倍くらい違います。単独で歩く場合は最初の20分くらいは意識してゆっくり歩きますし、景色がよくなるとスピードはぐんと落ちます。沢登りになると、沢屋さんが発信されている所要時間の2~3倍かかる事も珍しくありません。
またコースタイムといわれると、どうしてもそれを守らなくてはならないという観念が頭をよぎってしまい、ついついコースタイムと競争をしてしまってあえなくバテてしまう場合もありました。しんどい思いをして、何も楽しくありません。
さらに登山者が少ないマイナーな山域の情報は概して相応の健脚者が多く、勝手ながら私には、提供された所要時間情報を頭ごなしに信用する事ができません。
ということであれば、自分なりの算出方法を持つ事が必要になります。道迷いがない程度に明瞭な道、酷いヤブはない、雪もない、雨が降らない昼間、一日の行動時間は6時間くらいのソロ、ということを前提に、アバウトですが、現在は下記のように試算しています。
・山登り ⇒ 標高差100mを20分(立ち休憩、水分補給 、写真撮影込み)
・山下り ⇒ 山登りの 2/3 くらい
・平地のアスファルト道 ⇒ 時速4km
・縦走 ⇒ 時速2km
一度経験したルートであれば大体見当はつきます。しかし初めてのルートでは、水平距離もわからないし、道そのものさえよく分らない事があります。おおよその所要時間は見積もっておきたいのですが、算出はどうしてもアバウトになってしまいます。
山登りで水平距離を無視して、一律「標高差100mを20分」というのはいささか乱暴です。単に100mだけ登れといわれたら20分はかかりません。しかし一日のトータルとしてみた場合、結果的にはあまり大外しはしていないようです。一部ですが登山の実例を挙げます。
標高差 (m) |
実距離 (m) |
所要 実時間 |
標高から 予想時間 |
差異 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
山域A | A1コース | 500 | 3000 | 95 | 100 | -5 |
山域A | A2コース | 500 | 4330 | 110 | 100 | +10 |
山域A | A3コース | 500 | 4400 | 120 | 100 | +20 |
山域B | 600 | 2400 | 120 | 120 | 0 | |
山域C | 700 | 3000 | 130 | 140 | -10 | |
山域D | 700 | 3200 | 140 | 140 | 0 | |
山域E | 900 | 4000 | 160 | 180 | -20 |
上記の例は、少なくとも登山道は整備されているところばかりです。本来は水平距離や斜度も考慮して算出されるべきですが、それよりも道の整備状況やアップダウンや撮影時間のほうが結果には大きく影響を与えます。さらに道迷いがあるとさらに大きく影響します。ですので、初めてでよく分らない場合は、単純に30分とか60分を加算して予想時間とする場合もあります。
一日の行動予定としては、12~13時くらいに目的地(頂上)に着くことを想定していて、大きく遅れてしまう場合は、途中で引き返す事もおり込み済みです。ツエルトも持っていないので。
下りはまた難しい。同じ道を戻るのであれば、登りの 2/3 程度と見積もればいいと思いますが、周回コースの場合は何があるか分らないので試算の精度は落ちます。日帰りの場合、季節に寄って多少は事情が異なりますが、13~14時には下山を開始、日没の2時間前には下山完了、を目指そうと思っております。