クリップ式 クロマティックチューナーを二台追加 KORG Pitchclip 2 / YAMAHA YTC5
四台のギターにそれぞれチューナーを付けっぱなしにしておくために、クリップ式のクロマティックチューナーを二台追加購入しました。これまで使用してきているのは KORG AW-2 が二台、今回追加購入したのは KORG Pitchclip 2 と YAMAHA YTC5 という機能が少ない廉価機種です。
アコギ本体だけでなく、チューナーに関しても一家言持ってはおりますが、必要以上にややこしいことはやめておきましょう。
4000円までなら出してもいいよといえるなら、間違いなく TC ELECTRONIC の クリップチューナー PolyTune Clip / UniTune Clip を買っていました。±0.02セントの高精度もさることながら、6弦同時チューニングという曲芸は一見に値しますし、ブランドの格が違います。
しかし ±0.02セントの精度を享受するためには、楽器のほうもそれ相応の調整がなされ、操作者にもそれ相応の知識とスキルが必要です。
例えばギターであればペグの精度も要求されます。最低でも 1:18 くらいのギヤ比は必要でしょう。倍音に関する基本的な理解や、調弦する弦は倍音の発生を抑えるために軽くミュートしておいたほうがいいとか、調弦しない弦はナットやブリッジからの振動を拾わせないために完全にミュートしておいたほうがよいとか、解放と12フレット実音とでバランスを取るであるとか、クリップ式のチューナーを適切に使用する際に求められる知識はいくつかあります。
ちなみに、聞き慣れないかもしれませんが、TC ELECTRONIC というのはデンマークの高品質ブランドです。名前で買っても品質的には大丈夫、プリアンプの性能がよいコーラスを使用していました。サウンドは好みなので、リバーブはUSA製のレキシコンを愛用してました。ベタではありますが、気持ちはいい。
そんな高級品はお呼びじゃない、1000円くらいで何とかならんかとおっしゃる御仁には、国産ブランドの KORG の AW-4G が良いです。初心者向きというか、一般的に必要な機能は搭載されていますので安心です。
いやいやもっと安く!、と仰せになるなら Pitchclip 2 か 、もしくは YAMAHA YTC5 が適当でしょう。これらは、ある程度判った人(求める機能を十分理解している)向けで、決して初心者向けというわけではありません。
私の場合、AW-2 を二台所有しているので、その後継機種である AW-4 はパスしました。でも、KORG のピエゾチューナーは歴史も長く、素人ギタリストにはお勧めできます。
YAMAHA はこれといった特徴は無くても、ソツのない製品を作ります。トヨタの大衆車とか、キャノンのコンデジって感じ。
SEIKO でもよかったたけど、BOSS は避けるかな。BOSS はマグネットピックアップからの信号には安定しますが、ピエゾ信号は苦手じゃないかという印象が強い(認識が古いかも)。
よくわからないけど、リスクは回避したいというのであれば、少なくともジャパンブランドにしておきましょう。近隣他国ブランドには手を出さないほうが、失敗の確率は減るでしょう。
実際問題、KORG、YAMAHA、SEIKO あたりの製品なら使用する上で致命的な問題はありません。ついでですので、もう少し突っ込んでみましょう。
スペック上の精度は AW-4G が一番高いようですが、平均率のギターで使用するだけなら、Pitchclip 2 でも YTC5 でも体感的には大差ありません。
そもそもギターは構造上完璧なチューニングはできません、開放で合わせても押弦すれば狂います。5フレット以下でしか使わないというのであれば話は別ですが、最終的にはチューナーのメモリを見ながら自分で微調整します。エレキギターのように弦長調整ができないアコギの場合、例えば6・2弦の開放はやや低めに合わせるのはごく普通のことです。
機能的には、これも AW-4G が一番多機能ですが、ごく一般的な機能でして、最初の一台にはお勧めです。値段の差はわずかですので、ひとつだけ買うなら、最初の一台にはこれが一番よいでしょう。
Pitchclip 2 と YTC5 には、ピッチ調整機能が搭載されていません。すなわちAの音は440Hzに固定されているということですが、普段使いなら全く問題ありません。
一般的にはA=440Hzとされていますが、ライブ会場のピアノを借りる場合は、ピアノに合わせますので、A=441Hz とか A=442Hz に指定される場合があります。控え室の扉に、「本日のA=441」などと貼り紙がある場合があります。またオーケストラでは必ずしも A=440Hzではなく、最近はA=442Hzだと吹奏楽経験者から聞きました。ピッチ調整機能は必要な場面はありますが、そんな場面がない人には、ピッチ調整機能なんか邪魔なだけです。
YTC5 は、パネルの角度の自由度が高く、調弦するのに見やすくて微調整もやりやすい。また、クロマティックの他、ピッチパイプのようなギターモードとかウクレレモードなど、いくつかのモードを選べます。これは不要というか邪魔。電源 On/Off ボタンと同じボタンを使わせる操作性を考慮すると、本当に邪魔なだけ(電源の On/Off の操作は長押しです)。そもそも、どの弦をどの音に合わせるか意識していないなど、全く理解できない、論外です。モード切替なんて不要です。
Pitchclip 2 はモード切替がないという点ではとても使いやすいです。最低限の機能しかないので、操作ミスもないからストレスもない。ただこいつは慣れないとパネルが見にくい。また、音の表示が AbCdEFG と大文字小文字が混在し、特にGはCと似ていて一瞬?となる。
また微調整がやりにくくて、自分にとっては許容範囲を超えています。オープンDとかDADGADのような変則チューニングをする場合にも、弦ごと(場合によっては曲ごと)の微調整を必要とする場合はありますので、総じて Pitchclip 2 は調弦しにくいといわざるを得ません。使いにくくて我慢できなくなったら、 KORG AW-4G に買い換えます。
最初のひとつを選ぶなら、KORG AW-4G にすると思います。ピッチ調整機能は不要と書きましたが、一台くらいはピッチ調整機能が搭載されたチューナーを所有しておいた方が良いです。KORG AW-LT100G もよさそうなのですが、単四電池を使うということでやや重そう。軽いのがいいですよ。
追加で買うなら、所有しているものと同じものか YAMAHA YTC5 がよいと思う。パネルが見やすいので、微調整もやりやすい。KORG に比べて、適度に鈍感なことに加え、弦の振動が減衰していっても、インジケーターの動作が比較的長く安定しているので使いやすい。モード切り替えを割愛して、クロマティックオンリーにしてもらえたら文句なしなのですが。
KORG クリップ式チューナー ギター/ベース用 Pitch Crow-G AW-4G-BK ブラック
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KORG/Pitchclip 2 コルグ クリップチューナー
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tc electronic ポリフォニック クリップ チューナー POLYTUNE CLIP
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今回新しいチューナーを買ったので、SEIKO STX-1 と KORG AW-1 という古いクリップ式のチューナーはお役御免ということにしました。最近のものに比べると、精度も反応も明らかに太刀打ちできません。