滝の撮影、シャッタースピードはいくらがいいの
滝の撮影は、だれがやりだしたのか知りませんが、スローシャッターが定番です。写真なんて好みですから、どうやって撮っても構いはしませんが、スローで撮る場合が多いですね。
じゃあどのくらいのシャッタースピードで撮ればいいのかという話になります。ざっくりいえばある程度のことはいえますが、水量とか光線具合とかの条件や、撮影意図などが絡んでくると、一概に正解があるとは言えません。要は自分で決めるしかありません。
ざっくりした話でよければ、こんな感じです。
1.1/100sec. 以下 : めったに使わないが、水滴を止めたい時
2.1/10~1/15sec. : 躍動感を出したいとき
3.1~1/4sec. : 一般的なスローシャッター
4.2sec. 以上 : 水量が十分なとき、白布のような仕上がりを期待したいとき
注)1/30sec. 前後は避ける。
1/30 を避けるのは、カメラに寄って多少違いますが、最もぶれやすいシャッタースピードだからです。加えて滝の場合は絵が汚い印象を受けるからです。最近は、ほとんどが背面液晶で確認しながら撮っていますので、ミラーショックなどあまり気にしなくてもいいのでしょうけど、体に染み付いてしまっているのか、1/30sec. というと避けるべきシャッタースピードという認識を持っています。
具体的な作例を提示します。
この滝は、落差10m弱の小さな滝(岡山県 隠谷不動滝)です。水量が適当で、素直な直瀑系の滝だったのでサンプル撮影しています。
最終的にはどれがスキか?、ということになるのですが、一般的には 1~1/4sec. 辺りが好まれるようです。1sec. 以上になると布か水流かわけが分らなくなってしまう事が多く、できれば 1sec. 以内には収めたいと考えています。
ところがそうも行かないこともあるのでややこしい。
下の写真は、急いでいたこともあって何も考えずに iso100、F8.0 で撮っています。結果としてシャッタースピードは 1/2sec. です。もうチョイ絞って、1sec. 以上で撮っておいたらよかったのにと思ったのは、帰宅してからです。
この滝に関しては、水の流れは表現できなくてもよさそうです。誰がつけたか知りませんが「女郎滝」、非常に印象的な滝でした。
シャッタースピードの設定は Tv (シャッタースピード優先モード)で撮ればよさそうなものですが、慣れのせいか Av(絞り優先モード)で撮影しています。マニュアルモードでも構いませんし、やりやすいようにやればいいでしょう。
そのときの小道具として、C-PLフィルターや NDフィルターを用いることになります。よりどちらが必要かといわれたら、C-PL (円偏光)フィルターです。C-PLだけで概ね1〜1.5段の減光ができますから、NDはなかったとしても、無理して絞るなどして何とかしのげることは多いです。自分も ND はかなり後から入手しました。どうせ買うなら ND16 がよいですよ。
C-PLフィルター は、コントラストの調整も可能ですが、水面の反射のコントロールをするために必須です。コントラストの調整は PC 作業でいくらかカバーできますが、水面の反射のコントロールは撮影時でないとできません。
水量が多いときは反射をなくして岩を黒くし、水量が残念な場合は反射を増やしてごまかそうとしたり、これなくして水辺の撮影はできません。是非とも入手してください。
ブランドはケンコーでもマルミでもいいでしょう。撥水性のある高価なものである必要はありません。撥水性能があっても、滝の飛沫は防げません。
Kenko カメラ用フィルター PRO1D WIDE BAND サーキュラーPL (W) 67mm コントラスト上昇・反射除去用 517628
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Kenko カメラ用フィルター PRO1D プロND16 (W) 77mm 光量調節用 277447
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こんな写真はシャッタースピードもクソもありません。滝そのものは前撮りしていますが、20sec. X 180回(60分間)滝の前に放置もしています。もし飛沫がかかるようなロケーションであれば、毎度毎度レンズ面を拭くなんてできません、撥水加工のフィルターでは歯が立ちません。
一般的な滝の撮影であっても、滝の前で飛沫を受けるとレンズに水滴が付着して全く撮影になりません。水滴が付着したら拭けばいいだろう、はい確かにそう思っておりましたし、そうしていました。ところが魔法の薬もあるようで、これを知ったら使わない手はありません。連続1時間以上は使えるようなので、滝の前を飛ぶホタル撮影でもOKなのです。
本来は自動車用の製品なので、車には常時使用しております。効果は確かです。
SOFT99 (ソフト99) ウィンドウケア ガラコ ミラーコートZERO 04172 撥水剤
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ここまで準備すれば撮影の機会は増えることでしょう。あとは滝までいくための準備と体力が必要です。最低限、補助用ロープとセルフビレイの準備はあったほうがよいでしょう。